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FXコラム

2017.10.31

先進国企業の設備投資に動意

著者:古金 善洋


●日米欧で7月以降の設備投資の先行指標が上向く

世界経済の拡大ペースが速まるなかで、リーマンショック以降、
低迷し続けていた先進国の設備投資に上向きの兆しがみられる。

まず、米国のGDPベースの実質設備投資は昨年1年間でみると前年比0.6%減と伸び悩んだが、
今年に入り、1~3月に前期比年率7.2%増、4~6月同6.7%増、7~9月3.9%増と、
GDP成長率(1~3月前期比年率1.2%、4~6月3.1%、7~9月3.0%)
を上回る増加を示した。

設備投資の先行指標である非国防資本財受注(除く航空機)は7、8、9月に
3か月連続で前月比1.3%増と前月比としては高い伸びを示している。

この結果、7~9月の非国防資本財受注は4~6月に比べ前期比年率11.6%増加した。

9月は前年比7.8%増とリーマンショックによる急激な落ち込みの反動で
増加していた2012年以来の高水準な伸びになる(図1参照)。

7~9月の設備投資の伸びは4~6月に比べ幾分鈍化したが、
先行指標の動きからすれば、10~12月は再び加速するだろう。

次に、ユーロ圏はどうか。

ユーロ圏の実質設備投資(住宅を除く総固定資本形成)は欧州金融危機で
2012年まで低迷したあと、2013年頃まで低迷したが、
その後は14年2.3%増、15年4.1%増、16年4.6%増と持ち直していた。

今年は1~3月が前期比0.8%減と前期比ベースでみると伸び悩んだが、
4~6月は2.4%増と増加し、1~6月を均してみると、
ユーロ圏の実質GDP成長率(1~3月が0.5%、4~6月が0.6%)を上回っている(図2参照)。

そして7月以降はやはり設備投資の増勢は加速しているようにみえる。

設備投資の先行指標である製造業資本財受注指数をみると、
7~8月の水準は4~6月に比べ3.7%高い水準になった。

ユーロ圏でも設備投資が盛り上がり始めたようにみえる。

最後に日本はどうか。

日本の実質設備投資は消費税税率引き上げ前の駆け込み需要があった2013年に3.7%増、
14年に5.7%増と増加した時期があったが、その後は15年が1.1%増、16年が1.3%増と、
ほぼGDP成長率(15年が1.1%、16年が1.0%)に見合った伸びにとどまっていた。

今年に入ってからの動きも、1~3月、4~6月ともに前期比0.5%増となり、
GDPの伸び(1~3月が0.3%、4~6月0.6%)とほぼ変わらない状態で推移した。

ただ、やはり7月以降、変化が訪れている。

設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)は
4、5、6月に3か月連続で減少したが、7月に前月比8.0%増と落ち込みをほぼ取り戻し、
8月はさらに同3.4%増加した。

機械受注の動きを4半期ベースでみると、1~3月が前期比1.4%減、
4~6月が4.7%減と落ち込んだが、内閣府のヒアリングによる見通し調査によれば、
7~9月は7.0%増と回復する見込みだ。

実際、7~8月の平均受注水準は4~6月に比べ7%程度高く、
内閣府による7~9月の前期比「7%増」見通しはそのまま実現する可能性が高い。

11月9日には9月の機械受注実績が発表され、同時に10~12月の見通し調査も発表される。

ちなみに機械全体の受注の5%程度を占める工作機械受注は
9月の統計数字がすでに発表されているが、それをみると受注の増勢は一段と加速し、
8月前年比36.2%増のあと、9月は同45.0%増と14年4月以来の高い伸びとなった。

おそらく9月の機械受注実績も良好な数字となるだろう。

9月実績が7~8月並みの受注水準が確保でき、
加えて10~12月の見通し調査も高めの増加率となれば、
設備投資の動きの変化を示す重要な材料になる。

●企業のアニマルスピリット回復なら世界経済は一変する

世界の企業がここまで設備投資に慎重だったのはリーマンショックの後遺症だとされる。

金融危機時にキッシュ不足による倒産の危機に直面した経験を忘れられず、
新規投資を抑制し、キャッシュを貯め続けてきた。

本来、企業は借金をし、稼いだキャッシュフロー以上の金額の投資を行って、
業容を拡大していくのが普通の行動だが、これまでは投資がキャッシュフロー以下にとどまり、
その分、銀行などからの借金を返し続けてきた。

しかし、ようやく企業は本来のアニマルスピリット(起業家精神)を取り戻しているのかもしれない。

では、もしこの設備投資の盛り上がりがホンモノだったらどうなるのだろうか。

明らかに世界は一変することになるだろう。

第1に、実体経済面はどうか。

設備投資は個人消費や輸出などと同様、需要の一項目である一方、
新規の設備投資は生産能力を拡大させ、供給力を高める効果もあるため、
設備投資に牽引された景気拡大は力強く、しかも長期化するのが普通だ。

これまでのような「低成長」あるいは「緩やかな景気回復」という状態が一変する可能性がある。

第2に、金融面はどうか。

企業が本来の姿を取り戻し、キャッシュフローを上回る投資をし始めれば、
銀行借入などの資金需要も増加していくはずだ。

当然、借入金利も上昇していくだろう。

低金利状態も変わらざるをえない。

ちなみに、昨年の今頃まで流行っていた、
「自然利子率低下」の議論やローレンス・サマーズ元米財務長官などの「長期経済停滞論」などは、
すべてリーマンショック以降の民間投資の落ち込みを前提とする議論だった。

こうした前提が一変してしまうことになる。

※この記事は新イーグルフライから抜粋したものです。

古金 善洋

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