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FXコラム

2019.01.07

株価の先行性を前提とした米国景気と米国株の動向

著者:古金 義洋


●19年9月頃に米国経済はリセッション入りの公算

 

米国株は弱気相場入りしたと考えられる。

各株価指数のピーク時期は18年8~10月と多少のずれがあるが、

12月24日までの下落により、S&P500株価指数は高値2931(9月21日)から

19.8%下落し、2351へ、
ニューヨークダウは高値2万6,828ドル(10月18日)から

18.8%下落し、2万1,792ドルへ、
ナスダック総合指数は高値8109(8月29日)から

23.6%下落し、6193へ、
とそれぞれ2割程度下落した。

テクノロジー関連を中心に今回の株高を主導していたナスダック総合指数を中心に、
下落率は、弱気相場への転換点とされる「15%」を上回った。

今年1~2月にも米国株は大きく下落したものの、
下落率は結局、S&P500株価指数でみて10.2%で、
結局、弱気相場への転換にはならなかった。

しかし、今回は相場が大きな転換点となる可能性が高まった。

今後、この株価下落は実体経済にも影響することになる。

 

逆資産効果により個人消費にマイナスの影響を及ぼし、
また、企業家心理の悪化や資金調達コスト増加などを通じて設備投資を低迷させる可能性がある。

そして、最終的に景気はリセッション入りする可能性がある。

 

18年2月のレポートでも書いたが、景気後退局面(リセッション)入り時と
株価(S&P500株価指数)のピークの前後関係を示したのが表1だ。

景気後退局面入りの時期については、米NBER(全米経済研究所)による公式の景気基準日付を示している。

1950年以降の景気のピーク10回の事例をみると、株価よりも景気のピークが先行、
あるいは同時だった1980年1月と1990年7月の事例を除いて、
株価は景気に対し半年から1年程度先行してピークアウトしていた。

過去10回の平均的な先行期間を単純計算すると約7か月だった。

また、このなかで、先行期間が12か月というケースは3回と多かった。

株価が3割程度下落しながら景気が拡大基調を維持した

1987年10月のブラックマンデーのようなケースもあったが、
国際協調体制に対する不信感の高まり(ベーカー財務長官による西独の金融政策批判など)を

1つのきっかとして起こった一過性の株価下落であったブラックマンデーとは違い、

今回は株価急落が景気悪化につながる可能性は大きい。

 

すでに2009年以降、約10年の景気拡大を経過している米国経済は、
①減税効果の剥落と利上げの影響、
②新興国経済の悪化、
などにより、もともと2019年にかなり減速し、
2020年にもリセッション入りするのではないかと予想されていた。

 

この先、株価が再反発して高値を超えるようなことがなければ、
リセッション入りの時期が想定されていたより幾分早まり、
来年となる可能性がでてきている。

リセッション入りの時期については、株価のピークである2018年9月を起点として、
平均の「7か月」でみた場合は19年4月頃に、
過去3回と多いケースである「12か月」でみた場合19年9月頃となる。

株価急落が実体経済にどういった影響を及ぼすのか、
1月以降に発表される景気指標を見極める必要があるが、
少なくともここまでの景気指標からみると米国経済の強さが簡単に崩れるとは考えにくい。

 

オイルショックのような新たな事件でもなければ、
今から4か月後の19年4月に景気がリセッション入りすると考えるのは、
やや非現実的に思える。

ただ、株価下落の影響を受けて経済活動がじりじりと悪化していけば、
12か月後の19年9月にリセッション入りするということも考えられないことではないだろう。

 

●米国株価は19年3月頃まで自律反発した後、4月以降は本格的な下落局面に

これも、今年2月のレポートで示したが、図1は過去の景気後退局面入り前、
すなわち景気ピークの3年前から景気ピーク1年後までの株価の動きをより詳細にみたものだ。

それぞれの事例で、景気ピーク時(景気後退期入り月)の月初の株価を100として計算した。

過去10回の事例の平均的な株価の動きをみたのが図1の青二重線であり、
そのうち今回同様、比較的大幅な株高局面のあった1969年12月景気ピークの事例と
2001年3月の景気ピークの2事例の平均株価の動きをみたのが赤線だ。

過去10回の事例の平均的パターンは、

 

①景気ピーク2年半前から景気ピーク1年前にかけて株価は一本調子の上昇を続ける。

 

②景気ピーク1年前から景気ピーク半年前にかけて株価の上昇テンポは幾分鈍化するものの、上昇局面は続く。

 

③景気ピーク半年前から景気後退局面入り3か月後にかけて、株価は下落基調となる。

 

④景気後退局面入り後3か月~半年程度は、株価は下値を模索する展開になる。

 

 

⑤景気後退局面入り半年後にようやく株価は底打つ。

 

というものであった。

1969、2001年平均のパターンもほぼ同様で、景気ピーク1年前からの株価の動きをみると、
1年前、半年前の2つの高値がみられた。

 

ただ、過去10回平均と1969、2001年2回平均の両パターンの違いとしては、
第1に、1969、2001年平均パターンでは、1年前の高値からの調整後、
半年前の戻り高値が1年前の高値を超えなかったという点だ。

表1でみた通り、1969年、2001年事例では、株価の景気に対する先行期間が
12か月と比較的長くなったのは、そのためだと考えられる。

第2の違いは、1969、2001年平均の事例では、過去10回平均に比べ、
景気後退入り後の株価の底も深いものだった。

「山高ければ谷深し」ということになる。

 

今回のケースは、株価が1969年、2001年を上回る急騰をみせたことから考えて、
過去10回平均より、1969、2001年平均の事例を当てはめるのがより適切ではないかと思われる。

そこで、やや大胆な前提ながら、今回18年秋以降の株価急落が、
リセッション入り1年前を示唆する急落であり、
2019年9月頃に景気はリセッション入りするという前提で考えてみることにしよう。

すでに株価のピークから3か月が経過しているが、
今後は、景気後退の半年前に当たる2019年3月頃にかけて、
株価はもう一度、高値を窺う場面がでてくることになる。

1969年の事例では、1968年11月の高値から69年2月にかけて約10%下落し、
その後69年5月の戻り高値にかけて約8%反発した。

また、2001年の事例では、2000年3月の高値から同年5月にかけて約10%下落し、
その後2000年8月の戻り高値にかけてほぼ同率の10%程度反発した。

今回も今後数か月間は株価の反発局面が予想される。

19年3月のFOMCではおそらく再利上げが回避されるだろう。

そうしたことが株価を反発させる1つの材料になりそうだ。

 

ただ、最初の下落が10%程度とさほど大幅ではなかった1969年、2001年の事例と違って、
今回はすでに株価下落率は2割に達しており、弱気相場入りしていると考えられる。

1969年、2001年の事例では、戻り高値が最初の高値とほぼ同じ水準に達したが、
今回はそこまで大きく戻す可能性は低いと考えられる。

戻ったとしても3分の1戻しか、せいぜい半値戻しになるのではないか。

その後、2019年4月以降は、米国経済のリセッション入りを見込んだ、
本格的な株価下落局面となるだろう。

リセッション入りから半年後に当たる2020年3月頃にかけて、
株価は3割以上下落する可能性がある。

以上

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※この記事は新イーグルフライから抜粋したものです。

古金 義洋

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