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FXコラム

2020.05.07

原油市場動向

著者:古金 義洋


●6月も大幅な供給超過が続く見込み
 
原油市場では大幅な供給過剰状態が続いている。

IEA(国際エネルギー機関)のオイルマーケットレポート4月号によれば、
世界の原油需要は昨年の日量9,980万バレルから、
今年1~3月には中国の需要の落ち込みから世界の需要は9,330万バレルに減少し、
さらに4~6月には先進国の需要の落ち込みが加わり世界全体の需要は
日量7,610万バレルに減少するとの見通しだ。

4~6月の世界の原油需要は2019年4~6月(9,920万バレル)に比べると、
平均前年比2,310万バレル減少することになる。

これを月別に分解すると、原油需要の前年比減少幅は4月2,900万バレル、
5月2,580万バレル、6月1,460万バレルと減少幅は縮小すると見込まれる。

だが、需要減少幅が縮小すると見込まれる6月でも、世界の原油需給が均衡するにはほど遠い。

需要減少による供給過剰状態に対応して、OPECとロシアなど主要産油国からなる
OPECプラスは5月からの協調減産を決めているが、
OPECプラスの減産幅は970万バレルと需要減少幅に届かなかった。

結局、5月はもちろん、6月も500万バレル程度の供給過剰状態が続く計算だ。
 

●米シェールオイルの生産はなかなか減らない
 
こうしたなか、世界の原油需給が均衡に向かうかどうかのカギを握るのは、
需要(世界景気)の回復ペースもさることながら、
サウジアラビア、ロシアと並ぶ生産国である米国の動向だ。

米国の原油生産量は原油価格が急落するなかにあっても高水準を維持している。

シェールオイルを含む米国の原油生産量は3月半ばにかけ1,310万バレルまで増加しあと、
直近4月24日時点では1,210万バレルと減少したが、ピークからの減少幅は100万バレルにとどまっている。

確かに、原油価格急落によって稼働リグカウント数は昨年末の680から直近5月1日は325と減少している(図1参照)。

原油価格の動きと稼働リグカウント数の動きには3か月程度のラグがあるため、
今後数か月は稼働リグは減少傾向が続くはずだ。

ただ、シェールオイルのリグ当たりの生産性は急速に増加しており、
稼働リグが減少しても原油生産がさほど減少しない。

原油価格が100ドル超から20ドル台にまで下落した2015~16年の経験をみると、
稼働リグは1,500から300程度へとおよそ5分の1に減った(図2参照)。

しかし、原油生産量は2015年6~7月の960万バレルから
16年8月頃の840~850万バレルと100万バレル強減少しただけだった。

米シェールオイルの採算分岐点(黒字になるか赤字になるかの分岐点)は
既存の油田で25~40ドル程度と言われる。

現在の原油価格の水準では、多くのシェールオイルの赤字はまぬかれないが、
それによって生産がストップするかは別問題だ。

借金などの固定費部分が大きければ、生産を完全にやめて固定費部分だけの支払いを続けるよりも、
多少の赤字を覚悟で生産を継続した方が赤字幅は少なくなるためだ。

米当局は、財政・金融両面から信用不安を起こさないために、
大企業だけでなく中小企業の資金繰り支援策が強化しており、
中小企業の多いシェールオイル関連企業も資金面から経営破綻することがないよう、
保護されている。

そうしたなかでは、原油価格が相当安くなっても
シェールオイルの生産はさほど減少しない可能性がある。

供給過剰で価格が大幅に下落すれば、本来、生産者も淘汰され、
それによって生産が減少して需給均衡が達成されるべきだが、そうなっていない。

だとすれば、原油需給は改善せず、原油市場では原油価格に対する下落圧力は低減しない可能性が高い。

供給過剰状態は結果として在庫増加につながる。

米国の原油及びガソリン在庫の動きをみると(図3参照)、3月半ば以降、増加していることがわかる。

ガソリン在庫については、足元、増加が止まった感もあるが、過去最高水準での推移が続いている。

原油在庫についても、例年にみられないような大幅な増加となっている。

原油価格は足元反発しているが、なお下方に振れリスクは大きいとみられる。
 
 
以上

古金 義洋

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