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FXコラム

2018.04.03

国内景気に黄信号が灯る

著者:古金 義洋


●電子部品などの在庫調整で製造業の生産活動は下向きに

国内景気に黄信号が灯ってきた。

2月の鉱工業生産は前月比+4.1%と増加したが、
1月(同-6.8%)の大幅減少分を取り戻せなかった。

生産・出荷・在庫指数の前年比はそれぞれ生産が+1.4%、
出荷が+0.6%、在庫が+1.6%となった。

通常、在庫の前年比が、
出荷や生産の前年比を上回る状況は在庫調整局面であり、
景気後退となるケースが多い。

直近では、昨年11月に出荷が+2.3%、
在庫が+3.0%と、一時、
在庫>出荷の状態となったが、
12月、1月は再び在庫<出荷に戻った(図1参照)。


生産<在庫、かつ出荷<在庫となったのは、
今回の2月が初めてで、
在庫調整局面入りが濃厚となっている。

業種別にみると、足を引っ張っているのが、
電子部品・デバイス工業であり、

生産・出荷・在庫の前年比はそれぞれ+1.4%、
-6.6%、+9.6%となっている。

反面、世界的な設備投資ブームを背景に好調を維持している、
はん用・生産用・業務用機械については、

生産・出荷・在庫の前年比がそれぞれ+5.4%、
+5.1%、-2.8%で、なお、
在庫<生産、在庫<出荷の状態だが、

図1でみる通り、
出荷や生産の数値と在庫の数値との差は縮小している。

全体としては、出荷つまり売上の減少・鈍化傾向が明らかで、
メーカー側も生産も落とそうとしているが、

売上の減少・鈍化ペースの方が速いため、
後ろ向きの在庫が積み上がり始める局面になっている。

主要産業の生産計画を積み上げた、
作成されている製造工業生産予測調査によれば、

生産は3月に前月比+0.9%、
4月に+5.2%と増加の見込みだ。

この予測通りなら四半期で均した1~3月の生産は、
前10~12月に比べて-1.9%と減少する。

鉱工業生産は、四半期の前期比ベースでみると、
2016年4~6月以降ずっと増加傾向を維持していたが、
転換点を迎えるのはほぼ確実だ。

もちろん、4月が+5.2%と大幅増加が見込まれているため、
減少は一時的との見方もできなくない。

しかし、前月時点の2月分予想が+9.0%だったのに、
実際の数字が+4.1%にとどまったことからもわかるように、
製造工業生産予測調査の予想はかなり下方修正されることが多い。

過去3か月間をみると、
平均で、翌月予想が2.6%、
翌々月予想が2.9%下方修正されている。

この下方修正率を勘案した生産の前月比増加率は、
3月が-1.7%、4月が+2.3%となり、

1~3月は前期比-2.8%、
4月は1~3月比+2.6%となる。

2010年=100の指数水準そのもので言えば、
昨年10~12月が104.3、
今年1~3月が101.4、
4月が104.0となる(図2参照)。

つまり、生産活動は1~3月に大きく落ち込んだ後、
4月に幾分持ち直すが、それでも10~12月の水準には届かず、
増加に歯止めがかかる展開になりそうだ。

●企業収益増加にも歯止めがかかり、企業の景況感は悪化へ

企業の景況感も悪化し始めた。

3月調査日銀短観によれば、

大企業・製造業の業況判断DI
(業況が「良い」とみる企業の割合マイナス「悪い」とみる企業の割合)は、
+24と昨年12月の+26から2ポイント低下した。

大企業・製造業の業況判断DI
(業況が「良い」とみる企業の割合マイナス「悪い」とみる企業の割合)は、

その動きが政府の発表する景気の山谷とかなり一致し、
景気の転換点の目安を的確に示してくれる指標だ。

そして、この指標の勘どころは次の2点だ

① DIが上昇するか下落するか、

② DI実績が前回調査時点での見込みに対して上振れるか下振れるか、

という点だ。

具体的にみてみよう。

今回3月の同DIは、
昨年12月のプラス26から2ポイント低下しプラス24となり、
①は「下落」となった。

DIの下落は16年3月以来、
8四半期ぶりのことで、重要なポイントだ。

一方、12月調査時点での3月見込みはプラス21だったが、
実績はプラス24だったので、

見込み数値を3ポイント上回ったことになり、
②は「上振れ」となった。

実は、過去の経験則では、

①のDI「下落」と②のDI見通し「下振れ」が2四半期連続すると、
それが「景気後退」のサインになる(図3参照)。


現在は、まだ、②が「上振れ」であるため、
すぐに「景気後退」になるわけではないが、

今回3月調査の6月見込みがプラス20であったため、
仮に、次の6月調査短観のDIがプラス19以下になれば、

①が「2四半期連続の下落」となり、
②も「下振れ」となるため、
景気後退にリーチがかかることとなる。

今回のDIの下落、
つまり企業景況感が悪化に転じた主因は、

原材料・人件費コストなどの増加によって、
企業収益が減少し始めていることがある。

すでに発表されている法人企業統計によれば、
全規模・全産業の経常利益は昨年7~9月に季節調整済み前期比2.0%減、
10~12月に同1.7%減と2四半期連続の減少となった。

そして、今回の日銀短観によれば、
全規模・全産業の経常利益は17年度に前年度比7.1%増加した後、
18年度は1.5%減少する見込みとなった
(うち大企業は17年度12.0%増加のあと18年度は2.2%減少の見込み)。

加えて、先行きの懸念材料としては、
米FRB主導の金融緩和政策修正による世界経済拡大ペース鈍化懸念や、
トランプ大統領の保護主義政策による貿易摩擦激化のおそれなどがある。

景況感の悪化は一過性のこととは思えない。

世界経済が景気後退に陥るのは早くて2019年頃とみていたが、
以上のような、生産活動の在庫調整局面入り、

企業景況感悪化という2点からみて、
日本の景気はそれより早い時期に悪化し始める可能性もある。

日本株はPER(株価収益率)の低さなどから、
世界のなかで過小評価されているという見方もあるが、
日本株がはっきりとした下げ相場になる時期は比較的早いのではないか。

以上

※この記事は新イーグルフライから抜粋したものです

古金 義洋

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