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FXコラム

2019.03.25

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/190324-22.gif

前週の当欄は以下の様にまとめた

***前週のまとめ***

幾つかの要因から112.13を試す可能性はあるが、他の弱気要因を考慮すると、
112円近辺ではドルの上値が重たいと予測する。

ただ、112.13をブレイクする展開では、超短期でドルが急伸する可能性があるため、
この点には注意を要する。

他方、足下で支持線Cが崩れだしている中、スポット終値が25日MAを下回る可能性もあり、
その場合にはドルの下方リスクが強まると見る。

予測レンジ:109.95~112.10

************

前週のまとめでは、スポット終値が25日MA(前週末111.15)を下回るとドルに下方リスクが強まるとした。

結果は109.75まで下落し、週末は予測レンジの下限109.95で終えた。

こうした展開に陥った主因は、直近最高値の112.13(3月5日)を超えられなかった点にある。

この点については、直近最高値の112.13(3月5日)がフィボナッチ水準76.4%リトレースメント
112.08(昨年最高値114.55→年初来安値104.10)とほぼ同水準に当たる」とし、
前週にここを抜くのは難しいと指摘し、予測レンジの上限も112.10とした。

前週では高値が111.70止まりと、112円台を覗く前に反落し、
終値が25日MAを下抜け、大幅な反落を迎えてしまった。

***こうした中、一目の「三役逆転」が完全に出現するかどうかが注目される。

●「三役逆転」が完成形に入りつつある

(1)転換線(前週末110.80)が基準線(同110.92 )を下回った
(2)遅行線がローソク足の下に入った
(3)日足が雲の下に入るかどうか(?)

(1)(2)は既に出現しているが、(3)が微妙な状況にある。

もっとも、(1)(2)だけでも、かなりドルにネガティヴな状況が生まれているのは間違いない。

そして(3)が出揃う様であれば、「三役逆転」の完成で、この先ドルが一段安となる可能性が出てくる。

この先、スポット終値が雲の下限(前週末109.12)を下回る様であれば、下降トレンドが始まる可能性もある。

●こうした中、やはり注目しておきたいのは、スポット終値が25日MA(前週末111.15)や1月4日以降の支持線S1を下回った点。

既に終値が前々週時点で中期支持線C1を下回っていたが、
25日MAやS1を下回ったことはドルにとって相当なネガティヴ要因となる。

前週から指摘してきた直近最高値の112.13(3月5日)が
「フィボナッチ水準76.4%リトレースメント112.08(昨年最高値114.55→年初来安値104.10)」
とほぼ同水準に当たり、ここをクリアできなかった事実がある上に、
上記二つの●の事実があるとすれば、簡単にドルが反転上昇するのは難しいと見る。

他方、ドルを下支える要因が皆無ではない点に注意が必要である。

(A)9日間RSIは前週末時点で26%台と、ドル売りに過熱感があることを示している。

つまり、この先ドル売りが先行した場合、一段と過熱感が膨らむことになる。・・・ショートの踏み上げには注意。

(B)一目の雲の下限は前週末時点で109.12に位置するが、今週中も同水準で推移する。

年初来安値104.10と直近最高値112.13との38.2%戻しは109.06である。

109.12≒109.06であることを考慮すると、ドルが109円台で下げ渋る可能性がある。

(C)ドルがフラッシュ・クラッシュ(瞬間的急落)した1月3日以降のドル反騰局面では、
相当に108円台~109円台で揉んでいるため、同水準がドルの支持水準となる可能性が高い。

ちなみに、前述フィボナッチ50%戻しは108.12である。

以上から今週は当欄を以下の様にまとめた

***今週のまとめ***

前述●2点を考慮すると、ドルが一段安となる可能性が高い。

確かに(A)~(C)の様なドルのサポート要因があるため、ドルが反発する可能性はあるが、
足下のドル下落相場が若いだけに、反発は一時的なものに終わるとみる。

今週中に110円台で相場が安定しない場合、108円台へと入る可能性が高いと予測する。

***予測レンジ:108.10~111.25

************

以下、上記と一部重複

**ドルのネガティヴ要因

(1)一目の三役逆転が完成しつつある
・転換線(前週末110.80)が基準線(同110.92 )を下回った
・遅行線がローソク足の下に入った
・日足が雲の上限を割り込んでおり、下限をも下回る可能性がある

(2)昨年12月まで上昇基調にあった100日MA(前週末111.24)の下降が始まっている。

(3)100日MAと200日MA(同111.46)がデッドクロスしたため、ドルに長期先安感が生まれた。

(4)昨年10月以降、ドルの上値を試したが、「114.55(10月4日)→114.21(11月12日)→114.03(11月28日)」という展開となり、
直近2年間における高値圏でドルの上値が切り下がっている。

ほぼ過去2年間、114円台ではドルの上値が重たい展開が続いている

(5)抵抗線R(日足チャート)が113.00前後まで降りている

(6)終値で支持水準の25日MAを下抜いた

(7)支持線C1並びにS1が崩れた。

**ドルのポジティヴ要因

(1)9日間RSIが前週末時点で26%台と、ドル売りに過熱感があることを示している。

つまり、この先ドル売りが先行した場合、一段と過熱感が膨らむことになる。・・・ショートカット要因。

(2)一目の雲の下限が前週末時点で109.12に位置するが、今週中も同水準で推移する。

年初来安値104.10と直近最高値112.13との38.2%戻しは109.06である。

109.12≒109.06であることを考慮すると、ドルが109円台で下げ渋る可能性がある。

(3)ドルがフラッシュ・クラッシュ(瞬間的急落)した1月3日以降のドル反騰局面では、
相当に108円台~109円台で揉んでいるため、同水準がドルの支持水準となる可能性が高い。

ちなみに、前述フィボナッチ50%戻しは108.12である。

Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
110.25前後(支持線S1→支持線の抵抗線化)
110.89(3月22日高値)
111.15(前週末の25日MA)
111.70(3月20日高値)
112.13(3月5日の高値、昨年最高値114.55→年初来安値104.10の76.4%戻し近辺)
113.05前後(日足チャート上の抵抗線R)
113.71(12月13日の高値)
114.03(11月28日)
114.21(11月21日の高値)
*114.55(10月4日の高値)
*114.73(昨年11月6日の高値)
**115.00(昨年11月以降の展開で意識された強い心理的水準)

**サポート
109.74(3月22日安値)
109.12(今週中の一目の雲の下限)
109.06(38.2%、104.10~112.13)
108.49(1月31日安値)
107.99(1月14日の安値)
107.75(38.2%、104.10→110.00)
107.50前後(長期支持線S、週足チャート)
*105.00(サイコロジカル)
*104.10(1月3日の安値)

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア

●今週の注目材料

*米中通商協議では、米側が追加関税期限を延期し、中国に貸しを作った格好。

28-29日の米中通商協議が開催される。

米大統領選が来年に迫っているため、4月予定の米中首脳会談では、
表面的に中国が米国に歩み寄った格好で、玉虫色の暫定合意が見込まれる。

*日米通商協議
米国が、韓国、カナダ、メキシコ、(中国?)との協議で、
不当な通貨切り下げを回避すべく「為替条項」を取り付けている。

・日本は物品協定(TAG)を主張するも、米国は物品だけに固執していない。

為替条項(≒円高)がUSTRが協議対象として掲げている22項目の一つである以上、
議論の遡上に上がる可能性がある。

・日米協議中、米財務省の「為替報告書(4月中旬)」に公表される。

日本の対米黒字額、日銀の長期金融緩和≒円安、PPP(PPPからは円高余地がある)について、
かつてより強く言及される可能性がある。

*FRB関連
・前週のFOMCで、2019年の利上げ回数はゼロとなり、BS縮小も9月で停止方向。

・エバンス・シカゴ連銀総裁講演(25日)、ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演(26日)、
ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演(27日)、クォールズFRB副議長、クラリダ同副議長、
ウィリアムズNY連銀総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁などの講演(28日)

・29日発表の米1月個人消費支出(PCE)に注目。

*欧州関連

・ブレグジット問題:高まる不透明感。

・ユーロ圏3月消費者物価指数に注目。

・ドイツ経済が急減速しているため、ドイツの経済指標に注目!

***ストラテジー・アイディア

https://www.pro-fx.info/ef/190324-23.gif

*中期的ドル円相場の基本認識

(1)FRBは、コアPCEデフレーターが2%近傍で推移している限りは、
「忍耐強く、状況を見つめる」という認識である・・・年内の米利上げがほぼなくなった。

(2)日銀は長期金融緩和の副作用と物価安定とのディレンマに陥っている

つまり、過去5年間で見られた様な、
「日米金融政策の逆行性(日米金利格差の拡大)→ドル高円安」という想定はほぼ無理筋となった。

●ドル(対円)戻り売りを推奨

前週から指摘してきた直近最高値の112.13(3月5日)が
「フィボナッチ水準76.4%リトレースメント112.08(昨年最高値114.55→年初来安値104.10)」
とほぼ同水準に当たり、ここをクリアできなかった。

この結果、ブリッシュ(強気)フラッグの連続は途絶え、
ドルの下降局面あるいはドルが一段安となる可能性が高まっている。

こうした中、一目の「三役逆転」が完全に出現する可能性が出てきた。

(1)転換線(前週末110.80)が基準線(同110.92 )を下回っている
(2)遅行線がローソク足の下に入った
(3)日足が雲の下に入るかどうか

(1)(2)だけでも、強いドル売りサインだが、
(3)が実現すれば、「三役逆転」の完成し、この先ドルが一段安となる可能性が出てくる。

ただ、ドルロングの投げに乗じて俄かロングが膨らんでいる可能性がある(前週末9日間RSIは26%台)ため、
原則戻り売りを狙いたいところ。

ドル売り推奨水準
超短期ドル売り水準:110.20前後
コンサーヴァティヴ水準:110.65前後、111.20前後

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上

為替相場研究会主宰

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