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FXコラム

2019.04.08

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/190407-22.gif

前週の当欄は以下の様にまとめた

*****前週のまとめ*******

2週連続で下値を試した後だけに、ドルが多少反発する可能性もあるが、
111円台前半ではドルの上値は重たいと見る。

他方、前週に下値テストに失敗しているだけに、110円に近づくに連れて、
ドルが底堅さを示すと見る。

総じて言えば、直近最高値112.13(3月5日)を付けた後のドル下落過程の中で
110円台~111円台前半を中心とした揉み合いを予測する。

予測レンジ:108.50~111.55

******************

前週は、週後半まで111円半ば近辺でドルの上値が重たい展開が続いたが、
週末に111.82を示現し、111.70前後で週を終えた。

今週の焦点は、強い抵抗水準の111円半ばを超えた後、
3月高値の112.13を超えられるかどうかにある。

〇111円半ば以上で週を終えたことにに関しての見解

前回の当欄では111円前半でドルは相当に苦労する点を指摘したが、
実際の相場も正にそうした展開となった。

(1)仮に前週末終値が111円前半であれば、111円後半は上髭部分に過ぎなかったということになるが、
終値は111.70前後となり、週(ローソク)の足型(ほぼ坊主の陽線)となったため、上値余地を感じさせる。

(2)また、25日MA(前週末111.18)・100日MA(同110.98)・200日MA(同111.50)の
いずれの移動平均線を、終値ベースで上抜いている点も、ドルの好感材料と言える。

(3)一目均衡表絡みでは、前々週のドルの下値を試した際に、終値で雲の中に入らず、下値テストに失敗した格好となった。

結果的に転換線(前週末110.86)の上昇を招き、同線が基準線(同110.91)を上抜く気配を示している。

(4)トレンド線絡みでは、3月最高値112.13(3月5日)を起点とするマイナーレジスタンスの
MR(チャートを参照下さい)をブレイクしているため、ドルが上昇する余地が生まれた。

●3月高値の112.13を超えられるかどうかについての見解

上の〇からドルに上値余地が感じられるが、以下の点からは注意が必要。

(A)昨年最高値114.55(10月4日)からの抵抗線が112.85前後まで切り下がっていること

(B)前週末時点で9日間RSIが65%台まで上昇しており、
ドル買いが先行した場合、過熱感を示す70%に到達するか、近づくことになる。

つまり、このまま調整を経ないで112.13を試した場合、同水準近辺で失速する、
あるいは112.13を付けた途端に達成感から反落する、可能性が高い。

(C)前週半ばからの陽線足は実体部分が少なく、強い上昇余力が感じられない。

ただ、週末の陽線だけは、下髭が長いため、この足は無視できない。

以上〇●で指摘した点を考慮すると、ドルの上値余地が残っている感があるため、上値を試す展開が想定される。

ただ、日足の実体部分が前週までのマイナーレジスタンスMRあるいは111.50以下に
潜り込む展開となった場合は、ロングの落としが徐々に出る可能性がある。

また、●(B)で指摘した様なケースではドルが急落する可能性もある。

以上から、今週は以下の様にまとめた

****今週のまとめ*****

前週末111円半ば以上で引けているため、ドルの上値を試す展開が予測される。

ただ、昨年最高値からの抵抗線Rが112.85前後まで下降してきたため、
112円台でのドル続伸は厳しいと予測する。

また、112.13をブレイクできない様であれば、ドルが反落する可能性が高い。

予測レンジ:110.60~112.50

***************

**ドルのネガティヴ要因(以下、上記と一部重複)

(1)昨年12月まで上昇基調にあった100日MA(前週末110.98)の下降が始まっている。

(2)100日MAと200日MA(同111.50)がデッドクロスしているため、ドルに長期先安感がある。

(3)昨年10月以降、ドルの上値を試したが、
「114.55(10月4日)→114.21(11月12日)→114.03(11月28日)」という展開となり、
直近2年間における高値圏でドルの上値が切り下がっている。

ほぼ過去2年間、114円台ではドルの上値が重たい展開が続いている。

(4)抵抗線R(日足チャート)が112.85前後まで降りてきた。

(5)「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」のフィボナッチ76.4%戻しは112.08だが、
直近最高値112.13と同水準に当たる

(6)前週末時点で9日間RSIが65%台まで上昇しており、ドル買いが先行した場合、
過熱感を示す70%に到達するか、近づくことになる。

**ドルのポジティヴ要因

(1)前週の終値が111.70前後となり、週(ローソク)の足型(ほぼ坊主の陽線)となったため、ドルの上値余地を残した格好。

(2)25日MA(前週末111.18)・100日MA(同110.98)・200日MA(同111.50)のいずれの移動平均線も、終値ベースで上抜けている。

(3)前々週のドルの下値を試す展開の際に、スポット終値は一目の雲の上で止まった。

(4)転換線(前週末110.86)が基準線(同110.91)を上抜く気配を示している。

(5)3月最高値112.13(3月5日)を起点とするマイナーレジスタンスのMR(チャートを参照下さい)をブレイクした。

現時点ではMRが支持線化する可能性を残している。

Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
111.82(4月5日の高値)
112.13(3月5日の高値、「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」の76.4%戻し112.08近辺)
112.85前後(日足チャート上の抵抗線R)
113.71(12月13日の高値)
114.03(11月28日)
114.21(11月21日の高値)
*114.55(10月4日の高値)
*114.73(昨年11月6日の高値)
**115.00(昨年11月以降の展開で意識された強い心理的水準)

**サポート
111.50(前週末200日MA水準)
111.18(前週末25日MA水準)
110.66(4月1日安値)
109.70(3月25日安値)
109.12(今週前半の一目の雲の下限)
109.06(38.2%、104.10~112.13)
108.49(1月31日安値)
107.99(1月14日の安値)
107.75(38.2%、104.10→110.00)
107.50前後(長期支持線S、週足チャート)
*105.00(サイコロジカル)
*104.10(1月3日の安値)

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア

●今週の注目材料

*米中通商協議
トランプ大統領は「中国との貿易合意が近い」としているが、
知的財産保護などでは難航が予測されるため、正反対の発言が出る可能性もある。

*米財務省為替政策報告書
15日に予定。
米中通商協議、日米通商協議とも関連する。

*日米通商協議
米国が、韓国、カナダ、メキシコ、(中国?)との協議で、不当な通貨切り下げを回避すべく「為替条項」を取り付けている。

・日本は物品協定(TAG)を主張するも、米国は物品だけに固執していない。

為替条項(≒円高)がUSTRが協議対象として掲げている22項目の一つである以上、協議の遡上に上る可能性がある。

・前述米財務省の「為替政策報告書」が15日に予定されている。

日本の対米黒字額、日銀の長期金融緩和≒円安、PPP(PPPからは円高余地がある)について、かつてより強く言及される可能性がある。

*FRB関連
・直近のFOMCで、2019年の利上げ回数はゼロとなり、BS縮小も9月で停止方向。

この関連で、10日に公表されるFOMC議事録の内容に注目。

・講演はクラリダFRB副議長(10日)

・米3月雇用統計ではNFPが前月比大幅に改善されたものの、平均時給は前月比減。

またNFPの基調としての拡大のコンセンサスは過去の15万人増から、
近年では20万人増に変化しているため、3月の増加は驚くべき数字ではない。

*欧州関連
・ブレグジット問題:市場が食傷気味となっている。

・ユーロ圏の景気減速感が強まっている。

ユーロ圏経済指標には常に要注目。

ECB理事会が10日に開催。

3月の理事会でECBは年内の緩和姿勢に決めているため、当面は様子見姿勢と予測する。

・ドイツ経済が急減速しているため、ドイツの経済指標に注目!

*日本関連
24-25日の日銀金融政策決定会合を控えて、追加金融緩和が打ち出されるという期待感が市場に台頭。

ただ、仮にその場合でも手段は限定的で、逆に次の一手がなくなる。

*中期ドル円相場の基本認識
(1)FRBは、コアPCEデフレーターが2%近傍で推移している限りは、
「忍耐強く、状況を見つめる」という認識である・・・年内の米利上げがほぼなくなった。

(2)日銀は長期金融緩和の副作用と物価安定とのディレンマに陥っている

つまり、過去5年間で見られた様な、
「日米金融政策の逆行性(日米金利格差の拡大)→ドル高円安」という構図が復活するのは難しいか。

***ストラテジー・アイディア

https://www.pro-fx.info/ef/190407-23.gif

●ユーロ円売りを推奨

理由

(1)3月1日の高値127.50からの抵抗線Rが126.00前後に下降してきた

(2)一目の雲の上限(前週末125.89)が抵抗線Rと重なる

(2)転換線(前週末124.54)が下向きであり、かつ基準線(125.56)を下回っている

●ユーロ売り推奨水準
積極的売り水準:125.55~75

コンサーヴァティヴ売り水準:125.90~126.00

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上

為替相場研究会主宰

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