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FXコラム

2019.04.22

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/1904121-22.gif

前週の当欄は以下の様にまとめた

****前週のまとめ*****

一目均衡表では三役好転が出現しているため、ドル堅調の時間帯に突入している。

また、目先でドルを強く押し下げる要因が見当たらない。

従って、終値で200日MAを上回っていることや、
前々週の高値111.82を上抜いていることを考慮すると、
目先ではドルの上値を試す可能性が高いと言える。

ただ、強い抵抗線のRが112.80前後まで下降しているため、
112円台でのドルの伸びは限定されよう。

上値が重くなり、終値で111円半ばを下回る様であれば、110円台へと反落する可能性が高い。

予測レンジ:110.75~112.75

***************

前週は、それまでの年初来高値112.13を抜き、112.17を付けたものの、
その後は総じて112円近辺での小動きに終始した。

こうした展開だったことから、今週は概ね前週の予測と変わらない。

だが、(ドルが上昇する可能性として)次の点には留意しておきたい。

(1)年初来高値を小幅ながら更新している。

(2)109.75(3月22日)を付けて以降の上昇過程にあって、値幅調整は僅かだったが、時間調整が行われた。

(3)転換線が基準線を上回っている状態が続いているが、前週の展開で少しずつ両線共に上昇している

これらの点から、ドルの上値を確認したとは言えず、依然として上値を試す可能性が残っている。

この可能性が残る中、ドルの下値は以下の要素によって支持されている。

(4)前週の安値は111.77だが、200日MA(前週末111.53)が大きな拠り所となっている一方、
25日MA(同111.28)が上昇しながら、200日MAを支える格好となっている。

(5)3月下旬以降、一目の雲がドルを支持しているが、前週末時点で111.13に位置している。

(6)直近最安値の109.75(3月22日)からの暫定支持線TSを引くことができる

他方、以下の点を考慮すると、ドルが簡単に続伸するとは思われない。

(A)昨年最高値となる114.55(10月4日)を起点とする抵抗線Rが112.75近辺まで下降しているため、
112円台後半に入ると、上値を抑えられる可能性が高い。

(B)トランプラリーの最高値118.66近辺からの抵抗線が113.20~30に位置し、
抵抗線Rを後方から援護する格好となっている。

(C)トランプラリー後に反落して以降の2年の間、ドルは反発を繰り返してきたが、
幾度となく114円台で弾き返されてきた。

(D)一目の雲の上限が今週末に向けて急激に切り下がる。
・・・・・下値余地が広がる可能性

(E)「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」のフィボナッチ76.4%戻しは112.08であり、
直近最高値112.17とほぼ同水準であるため、現状は「114.55→104.10」の調整の戻りと捉えられる。

(F)3週連続で週末に週高値を付けるという展開が崩れている。

確かに年初来高値を付けたものの、3週続いた流れが途絶えた格好で、反落に注意が必要。

週足三本陽線後の陰線コマ線・・・大花火一転星モドキ

以上から、今週は以下の様にまとめた

*****今週のまとめ*******

前述(1)~(6)の点から、依然としてドルの高値が確認されていないため、上値を試す可能性が残っていると見られる。

ただし、(A)~(B)を考慮すると、上値余地はそれほど大きくはなく、112円前半で重苦しい展開が続く様であれば、111円割れもあり得る。

予測レンジ:110.75~112.75

******************

**ドルのネガティヴ要因(以下、上記と一部重複)

(1)昨年12月まで上昇基調にあった100日MA(前週末110.84)の下降が始まっている。

(2)100日MAと200日MA(同111.53)がデッドクロスしているため、中長期的にドルの先安感がある。

(3)昨年10月以降、ドルの上値を試したが、「114.55(10月4日)→114.21(11月12日)→114.03(11月28日)」
という展開となり、直近2年間における高値圏でドルの上値が切り下がっている。

ほぼ過去2年間、114円台ではドルの上値が重たい展開が続いている。

(4)抵抗線R(日足チャート)が112.75前後まで降りてきた。

(5)トランプラリーの最高値118.66近辺からの抵抗線が113.20~30に位置し、
抵抗線Rを後方から援護する格好となっている。

(6)「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」のフィボナッチ76.4%戻しは112.08だが、ほぼ直近最高値112.17と同水準。

(7)一目の雲の上限が今週末に向けて急激に切り下がる。
・・・・・下値余地が広がる可能性

(8)3週連続で週末に週高値を付けるという展開が崩れている。
確かに年初来高値(112.17)を付けが、3週続いた流れが途絶えた可能性がある。

**ドルのポジティヴ要因

(1)一目では三役好転の状態にあるため、ドル堅調の時間帯に入っている。

(2)3月下旬以降、一目の雲(前週末の上限は111.13)がドルの強い支持水準として機能している。

(3)25日MA(前週末111.28)・100日MA(同110.84)・200日MA(同111.53)、
全ての移動平均線を、終値でブレイクしている。

前週の安値は111.77だが、200日MA(前週末111.53)が大きな拠り所となっている一方、
25日MA(同111.28)が上昇しながら、200日MAを支える格好となっている。

(4)112.17をブレイクした場合、112.75前後まで厳しい抵抗水準が存在しない。

(5)年初来高値を小幅ながら更新している。

(6)109.75(3月22日)を付けて以降の上昇過程にあって、値幅調整は僅かだったが、時間調整が行われた。

(7)直近最安値の109.75(3月22日)からの暫定支持線TSを引くことができる

Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
112.17(年初来高値、「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」の76.4%戻し112.08近辺)
112.75前後(日足チャート上の抵抗線R)
113.71(12月13日の高値)
114.03(11月28日)
114.21(11月21日の高値)
*114.55(10月4日の高値)
*114.73(昨年11月6日の高値)
**115.00(昨年11月以降の展開で意識された強い心理的水準)

**サポート
111.53(前週末200日MA水準)
111.28(前週末25日MA水準)
111.13(前週末の一目雲の上限)
110.84(4月10日安値)
109.70(3月25日安値)
109.06(38.2%、104.10~112.13)
108.49(1月31日安値)
108.34(今週の一目雲の下限)
107.99(1月14日の安値)
107.50前後(長期支持線S、週足チャート)
*105.00(サイコロジカル)
*104.10(1月3日の安値)

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア

●今週の注目材料
*最大10日に及ぶゴールデンウィーク

年初に生じたフラッシュクラッシュ的な値動きに要注意!

112円台から輸出関連企業のドル売りオーダーが入る可能性。

*米中通商協議
トランプ米大統領は「中国との通商合意が近い」としているが、不透明感が残る。

*米財務省「為替政策報告書」
例年であれば、この時点で発表されているはずだが、依然として発表されていない。

日米通商協議との関係で意図的に遅らせている可能性もある。

昨年の報告書では、過去20年の平均値と比べ、25%近くも円安である点が指摘されている。

*日米通商協議
米国が、韓国、カナダ、メキシコ、(中国?)との協議で、不当な通貨切り下げを回避すべく「為替条項」を取り付けている。

・15-16日の協議では、具体的な落とし所が見えなかった。

為替条項(≒円高)がUSTRが協議対象として掲げている22項目の一つである以上、協議の遡上に上る可能性が高い。

・日米首脳会談で自動車特別関税が議論される一方、「為替条項」は麻生財務相とムニューシン財務長官で議論される可能性がある。

自動車関税では25%の特別関税の議論が注目される一方、為替政策報告書で25%の円安が問題視されるとすれば、
円高リスクとして日米通商協議と「為替政策報告書」には注目しておきたい。

*欧州関連

・ブレグジット問題:EUでは10月末まで期限延長を決めているが、依然として先行きが不透明であり、
もはや市場が食傷気味となっている。

現地イギリス人も相当に辟易としている状態。

・ユーロ圏の景気減速感が強まっている。

ユーロ圏経済指標には常に要注目。

3月の理事会でECBは年内の緩和姿勢に決めているため、ユーロの上値抑え要因。

・ドイツ経済が急減速しているため、ドイツの経済指標に注目!

*日本関連
24-25日の日銀金融政策決定会合を控えて、追加金融緩和が打ち出されるという期待感が市場に台頭しているが、変更なしと見る。

FRBやECBがハト派化する中、本邦でも消費増税見送り観測が出ている。株式市場が好感するのであれば、円安要因になるか。

***ストラテジー・アイディア

*中期ドル円相場の基本認識
(1)FRBは、コアPCEデフレーターが2%近傍で推移している限りは、
「忍耐強く、状況を見つめる」という認識である・・・年内の米利上げがほぼなくなった。

(2)日銀は長期金融緩和の副作用と物価安定とのディレンマに陥っている

つまり、過去5年間で見られた様な、「日米金融政策の逆行性(日米金利格差の拡大)→ドル高円安」という構図が復活するのは難しいか。

https://www.pro-fx.info/ef/1904121-23.gif

●ドル円:週足はドルの売りを示唆

説明は参考の下段

ショートの巻き戻しを中心にドルは111円台後半へと上昇したが、それ以降の伸びは限定されている。

三役好転を見た後、ドルは堅調だが、ドルは伸びに欠く。

参考図は大花火一点星とは言えないが、それに近い足の並びと考える。

こうした中、112.75~80に強い長期抵抗線Rが下降しているため、ドル売りで攻めたいところ。

ただ、111円半ば~前半はドル上昇時に苦戦しているだけに、底堅い可能性もある。

ドル下落が先行した場合、日計りでは111円半ばでドルを買う手もあるか。

もっとも、ドルを買う場合においては、短期戦略に徹し、損切りは浅めに入れておく方が良い。

利に乗った場合は、ロングポジションの半分を利食い、残り半分を買値と同水準かそれより少し上で売ることを心がけたい。

・ドル売り推奨水準
積極的:112.00~15
コンサーバティヴ:112.35~112.54

・超短期ドル買い推奨水準
111.55~75

前述中期ドル円相場の基本認識でも述べている通り、中長期はドルの下落リスクを予測している。

三役好転の状態にあり、ややドル高に振れやすいと見るが、吹き値でのドル売りを推奨する。

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、
特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上

為替相場研究会主宰

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