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FXコラム

2019.04.29

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅱ.長期相場分析(週足チャートをご参照下さい)

https://www.pro-fx.info/ef/190428-21.gif

一昨年(2017年)は5月以降に大きなドルの反発局面が3回あったが、
いずれも114円半ばに近い水準(最高値は11月の114.73)で止まっている。

こうした状況を背景に、昨年(2018年)初めからドルの地合いが悪化し、
3月には2016年11月以来のドル安水準となる104円台(年初来安値)を示現。

だが、年初来安値を付けて以降、1カ月以上もドルの下値を攻めきれなかった反動で、
ドルの地合いに変化が生じ、7月に入るとドルが上昇局面入りした。

9月に入ると、一昨年の最高値の114.73(11月6日)を試す展開となり、
10月4日には114.55まで上昇した。

しかしながら、その後の高値を試す展開も失敗に終わり、
「114.21(11月12日)→114.03(11月28日)」と、
徐々にドルの上値が切り下がる展開となった。

そうした中、薄商いの年初1月3日に104.10までフラッシュ・クラッシュ(瞬間急落)した。

10円台~112前半での揉み合いが続く中、前週には年初来高値となる112.40を付けたが、
昨年最高値114.55(10月4日)からの抵抗線が112.70前後まで切り下がっており、
長期的にドルの先安観が強いというこれまでの予測を踏襲する。

**上値メド水準
112.70前後(長期抵抗線R)
114.55(2018年10月4日高値)
114.73(201711月6日高値)
115.00(2017年11月以降の展開で意識された強い心理的水準)

**下値メド水準
105円(サイコロジカル)
104.10(1月3日)
103.20[78.6%、99.00(2016年6月)&118.66(2016年12月)]
100.00(サイコロジカル)
99.00(2016年6月安値)

Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/190428-22.gif

前週の当欄は以下の様にまとめた

******前週のまとめ*********

依然としてドルの高値が確認されていないため、上値を試す可能性が残っていると見られる。

ただし、上値余地はそれほど大きくはなく、
112円前半で重苦しい展開が続く様であれば、111円割れもあり得る。

予測レンジ:110.75~112.75

*********************

前週は、それまでの年初来高値を更新し112.40を付けたものの、
その後は本邦10連休を控えてのポジション調整で111.37まで反落。

この展開で、約10日間続いた112円を挟んでの小幅な値動き相場に変化の兆しが見え出した。

もっとも、前週の112.40までのドル円上昇は、
対欧州通貨でドルが強含んだ流れの中で、ショート・カットを巻き込まれただけに過ぎない。

実際の展開では、輸出筋のドル売りも旺盛だった一方、下値圏では輸入筋のドル買いも出ているため、
実需の為替需給で相場は拮抗している感が強い。

但し、テクニカル面に目をやれば、昨年最高値114.55(10月4日)を起点とする
抵抗線Rが112.70近辺まで下降したきたことを考慮すると、ドル上伸は相当難しくなっている。

こうした中、以下ではドルの弱気・強気要因を探ってみたい。

●ドルの弱気要因

(1)3月25日の安値109.70を起点とする暫定支持線TS(前週末111.90前後)を終値で下回った。
・・・前週末の展開で、上値を暫定支持線TSによって抑え込まれた印象がある点にも注目しておきたい(支持線の抵抗線化)。

(2)3月25日週から3週連続で週末に週高値を付ける展開が続いていたが、
前々週に大花火一転星モドキの陰線コマ線が出現したことで、崩れた。

この点は前週の当欄で反落要因として取り上げているが、
今週もその延長線上にあると捉えた場合、
前週に引き続きドルに下方バイアスがかかりやすいと見る。

(3)(2)に関連して、週終値が週足一目均衡表の雲の中に入り込んだ。

(4)前週の後半から日足一目の転換線が下降の気配

(5)昨年最高値114.55からの抵抗線Rが112.70近辺まで下降したきたため、
112円台半ばに掛けてドルの上値が重たくなるか。

(6)年初来高値112.40を示現したものの、週末の終値は111.60前後となり、
週ローソク足では長い上髭を引いている。・・・簡単に言えば、上値圏でコツンと当たった感じがある。

〇ドルの強気要因

(A)前週にそれ以前の年初来高値112.17抜き、112.40を付けた。
・・・高値を付けた後は、その水準を再び試しに行くのが市場心理である。

3週連続で、年初来高値を更新していることを考えると、今週もその可能性が残る。

但し、前述●(6)で指摘した様に、前週ローソク足では上髭が長いだけに、上値テストに失敗する可能性がある。

(B)ザラ場では、25日MA(前週末111.47)や100日MA(同111.51)が下抜けているが、終値では抜けていない。

(C)今週中の日足雲の上限が110.80近辺にあり、チャートポイントである4月10日の安値110.84と重なっている。

仮にドルが下落した場合、押し目の買いが110.90前後から入ると見られるため、
110.80~90程度で下げ止まる可能性が高い。

もっとも、この際、ドルの戻りが弱ければ、一段安を考慮する必要があり、
110.80割れでは110円にぐっと近づくと予想する。

以上から、今週は以下の様にまとめた

*******今週のまとめ**********

前週の展開では年初来高値を更新したが、それ以降は上値を切り下げ、結局週ローソク足は長い上髭を引いて終えている。

この状況は、昨年最高値114.55を起点とする抵抗線Rが機能していることを映している。

前週の展開だけ見ていると、上値・下値が広がっているため、
GWの薄商いの中、両サイドに振れる可能性があるが、ドルの下方リスクがより高いと予測する。

予測レンジ:109.75~112.70。

***********************

**ドルのネガティヴ要因(以下、上記と一部重複)

(1)昨年12月まで上昇基調にあった100日MA(前週末110.77)の下降が始まっている。

(2)100日MAと200日MA(同111.51)がデッドクロスしているため、中長期的にドルの先安感がある。

(3)昨年10月以降、ドルの上値を試したが、「114.55(10月4日)
→114.21(11月12日)→114.03(11月28日)」という推移で、直近2年間における高値圏ではドルの上値が切り下がっている。

ほぼ過去2年間、114円台ではドルの上値が重たい展開が続いている。

(4)抵抗線R(日足チャート)が112.70前後まで降りてきた。

(5)トランプラリーの最高値118.66近辺からの抵抗線が113.20近辺に位置し、抵抗線Rを後方から援護する格好となっている。

(6)3月25日の安値109.70を起点とする暫定支持線TS(前週末111.90前後)を終値で下回った。

・・・前週末の展開で、上値を暫定支持線TSによって抑え込まれた印象がある点にも注目しておきたい(支持線の抵抗線化)。

(7)3月25日週から3週連続で週末に週高値を付ける展開が続いていたが、
前々週に大花火一転星モドキの陰線コマ線が出現したことで、この流れが崩れた。

この点は前週の当欄で反落要因として取り上げているが、
今週もその延長線上にあると捉えた場合、
前週に引き続きドルに下方バイアスがかかり続ける可能性が高い。

(8)に関連して、週終値が週足一目均衡表の雲の中に入り込んだ。

(9)前週の後半から日足一目の転換線が下降の気配にある。

(10)年初来高値112.40を示現したものの、週末の終値は111.60前後となり、
週ローソク足では長い上髭を引いている。

**ドルのポジティヴ要因

(1) 一目では三役好転の状態にあるため、ドル堅調の時間帯が続いている。

(2)3月下旬以降、一目の雲(前週末の上限は110.86)がドルの強い支持水準として機能している。

今週中の日足雲の上限は110.80近辺にあり、チャートポイントである4月10日の安値110.84と重なっている。

仮にドルが下落した場合、押し目の買いが110.90前後から入ると見られるため、
110.80~90程度で下げ止まる可能性が高い。

(3)終値で25日MA(前週末111.47)・200日MA(同111.51)を上回っている。

前週末の終値は111.60前後。

(4)前々週までの年初来高値112.17を更新し、112.40を付けている。

Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
111.90前後(暫定支持線TSが抵抗線化)
112.00(心理的に抵抗水準として意識される可能性がある)
112.40(年初来高値、「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」の76.4%戻し112.08近辺)
112.70前後(日足チャート上の抵抗線R)
113.71(12月13日の高値)
114.03(11月28日)
114.21(11月21日の高値)
*114.55(10月4日の高値)
*114.73(昨年11月6日の高値)
**115.00(昨年11月以降の展開で意識された強い心理的水準)

**サポート
111.51(前週末200日MA水準)
111.47(前週末25日MA水準)
110.86(前週末の一目雲の上限)
110.84(4月10日安値)
109.70(3月25日安値)
109.06(38.2%、104.10~112.13)
108.49(1月31日安値)
108.34(今週の一目雲の下限)
107.99(1月14日の安値)
107.50前後(長期支持線S、週足チャート)
*105.00(サイコロジカル)
*104.10(1月3日の安値)

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア

●今週の注目材料
*最大10日に及ぶゴールデンウィーク

年初に生じたフラッシュクラッシュ的な値動きに要注意!

112円台から輸出関連企業のドル売りオーダーが入る可能性。

*IMMの投機的円売りポジションが増加
23日時点の同ポジションが94,444枚(16日時点は87,106枚)へと増加。

ポジョションの縮小を本格的に始めているのであれば、前週の安値111.37程度では済まないと推測する。

つまり、IMMのポジションの本格的ポジション調整が入れば、ドル一段安となる可能性がある。

*米財務省「為替政策報告書」
例年であれば、この時点で発表されているはずだが、依然として発表されていない。

日米通商協議との関係で意図的に遅らせている可能性もある。

昨年の報告書では、過去20年の平均値と比べ、25%近くも円安である点が指摘されている。

*日米通商協議
米国が、韓国、カナダ、メキシコ、(中国?)との協議で、不当な通貨切り下げを回避すべく「為替条項」を取り付けている。

・為替条項(≒円高)がUSTRが協議対象として掲げている22項目の一つである以上、協議の遡上に上る可能性が高い。

・ムニューシン財務長官は執拗に協議に「為替条項」を取り入れると主張。

*FOMC(4月30日~5月1日)関連
・大きな変化はないと見る。

バランス・シート政策の運営方針(保有資産内容や再拡大の時期)について、何等かの示唆があるかどうかに注目。

・エバンス・シカゴ連銀総裁講演(3日)。

同日にはクラリダFRB理事・ウィリアムズNY連銀総裁など多くのFRB要人が講演予定

*欧州関連
・ブレグジット問題:EUでは10月末まで期限延長を決めているが、依然として先行きが不透明であり、もはや市場が食傷気味となっている。現地イギリス人も相当に辟易としている状態。

・ユーロ圏の景気減速感が強まっている。

ユーロが節目の1.12(対ドル)を割り込んでいる点には要注目。

引き続き、ユーロ圏経済指標には常に要注目。

ドイツ経済が減速しているため、ドイツの経済指標に要注目!

***ストラテジー・アイディア

*中期ドル円相場の基本認識
(1)FRBは、コアPCEデフレーターが2%近傍で推移している限りは、
「忍耐強く、状況を見つめる」という認識である・・・年内の米利上げがほぼなくなった。

(2)日銀は長期金融緩和の副作用と物価安定とのディレンマに陥っている

つまり、過去5年間で見られた様な、「日米金融政策の逆行性(日米金利格差の拡大)→ドル高円安」という構図が復活するのは難しいか。

●ドル円:ドル売り推奨

三役好転を見た後、ドルは堅調だが、伸びに欠ける。

前週ローソク週足は、終値で一目の雲に突入。

112.70近辺に強い長期抵抗線Rが下降しているため、前週に引き続きドル売りを推奨。

積極的ドル売り水準:111.70~90
コンサーバティヴドル売り水準:112.40~60

●ユーロドル:ユーロ売り推奨

https://www.pro-fx.info/ef/190428-23.gif

長期・中期・短期の全ての期間においてドルの上値が切り下がる中、
前週の展開で、直近最安値を下抜き、大きな節目の1.12(上段グリーン線)を完全に割り込んだ格好。

(1)積極的にはTR線(下段グリーンドット近辺:ブルーのドット丸)でのユーロ売りを推奨。推奨水準:1.1190~1.1210。

(2)コンサーバティヴにはR線(上下段赤の実線:下段グリーン楕円)でのユーロ売りを推奨。推奨水準:1.1250~1.1260

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上

為替相場研究会主宰

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