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FXコラム

2019.05.07

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/190505-21.gif

前週の当欄は以下の様にまとめた

*******前週のまとめ***********

4月21日週の展開では年初来高値を更新したが、それ以降は上値を切り下げ、
結局週ローソク足は長い上髭を引いて終えている。

この状況は、昨年最高値114.55を起点とする抵抗線Rが機能していることを映している。

同週の展開だけ見ていると、上値・下値が広がっているため、
GWの薄商いの中、両サイドに振れる可能性があるが、
「ドルの下方リスクがより高い」と予測する。

予測レンジ:109.75~112.70。

************************

前週の展開では、ドルの下方リスクが一段と高まった。

週初には、S&Pやナスダックが史上最高値を更新したことや、
米長期金利が上昇したことを受けて、111.90まで上昇したが、
それ以降はドルの上値が重たくなる展開となり、111.02まで下落した。

ドルが111円台後半まで反発する局面も見られたが、
結局週末には111.10前後での安値で引けた。

「今週の焦点は、フィボナッチ数などテクニカル・ポイントが集中する、110.70~90を下回るかどうかにある」

ここを切る様であれば、ドル一段安の可能性が相当に高くなると予測するが、
以下では、これらのテクニカル・ポイントを列挙してみた。

(1)4月中旬からのドル上昇の起点が110.84(4月10日の安値)である。

110.84は3月5日に付けた112.13からの最安値となるが、
その後は上昇局面に入り、年初来ドル高値112.40を付けていることに照らせば、
重要な水準だ。

(2)今週中の一目雲上限は110.74~90。

3月下旬以降、スポット終値が雲に入り込んだことはなく、中期相場のドルの下値メドでもあり、堅牢な砦である。

(3)最初の年初来高値112.13(3月5日高値)からの最安値は109.70(3月25日)であり、
そこからの最高値が112.40である。

この値幅のフィボナッチ水準61.8%が110.73に当たる。

(4)前週の週ピボット指数をベースにしたドルの第一サポート水準は110.78。

(5)100日MAが前週末時点で110.68水準に位置している。

これら(1)~(5)、特に(1)~(3)から、110.70~90はドルのサポート水準として機能すると見られる。

但し、以下(A)~(D)のドルの弱気要因を考慮すると、ドルの下方リスクが相当強まっていると見られ、
この先110.70~90をブレイクする可能性が高いと予測する。

(A)まずは、昨年ドルの最高値114.55を起点とする抵抗線Rが112.65前後まで切り下がっており、
相当にドルの上値が重たくなってきたと言える。

この点は、次の(B)とも関係する。

(B)前々週にドルの年初来高値となる112.40を示現したたものの、
前週は112.00以上を付けておらず、目先で年初来高値を試す可能性が遠のいた。

(C)2週連続で週足一目の雲の中に入り込んでいる。

中期的にドルの弱地合いが続く可能性が高い。

(D)支持線TSの抵抗化が顕著になっている。

5月1日以降の戻り高値は111.61~66に限定されているが、
その水準がTS線(前週末111.68)である。

今週もドルの戻りが、TS線で限定される様であれば、益々支持線の抵抗線化が強まり、
ドルの上値が一段と切り下がることになる。

(1)~(5)で見たように、110.70~90が強い支持水準になると見るが、
前週の展開からドルの下値テストが続くと予測する。

こうした中、(A)~(D)の状況が顕著になってきたため、ドルの下方リスクが高い。

以上から、今週は以下の様にまとめた。

*******今週のまとめ***********

年初来高値112.40(4月24日)を示現して以降、ドルは上値を切り下げながら、下落している。

ドルを支持する複数のテクニカル・ポイントが110.80近辺に存在するが、同水準を試す展開を予測する。

110.70がブレイクされた場合は、109円台後半もありえるか。

ただし、ドルが110.70~90を崩せない様であれば、112.00程度まで反発する可能性もある。

予測レンジ:109.70~111.85

************************

**ドルのネガティヴ要因(以下、上記と一部重複)

(1)昨年12月まで上昇基調にあった100日MA(前週末110.68)の下降が始まっている。

(2)100日MAと200日MA(同111.52)がデッドクロスしているため、中長期的にドルの先安感がある。

(3)昨年10月以降、ドルの上値を試したが、
「114.55(10月4日)→114.21(11月12日)→114.03(11月28日)」という推移で、
直近2年間における高値圏ではドルの上値が切り下がっている。

ほぼ過去2年間、114円台ではドルの上値が重たい展開が続いている。

(4)抵抗線R(日足チャート)が112.65前後まで降りてきた。

(5)トランプラリーの最高値118.66近辺からの抵抗線が113.20近辺に位置し、
抵抗線Rを後方から援護する格好となっている。

(6)3月25日の安値109.70を起点とする支持線TS(前週末111.90前後)を終値で下回っている。
・・・前週のドルの戻りは支持線TSによって、抑え込まれており、支持線の抵抗線化が始まっている。

(7)3月25日週から3週連続で週末に週高値を付ける展開が続いていたが、
前々週に大花火一転星モドキの陰線コマ線が出現したことで、この流れが崩れた。

この点は前々週に当欄で反落要因として取り上げているが、
足下の相場がその延長線上にあると見られ、
引き続きドルに下方バイアスがかかり続ける可能性が高い。

(8)前々週から、週終値ベースで週足一目均衡表の雲の中に入り込んでいる。

週ローソク足は二週連続で上髭のある陰線引け。

(9)前週の後半から日足一目の転換線が下降の気配にある。
・・・逆転(転換線が基準線を下回る)の可能性があるため、要注意!

**ドルのポジティヴ要因

(1)一目では三役好転の状態にあるため、ドル堅調の時間帯が続いている。

(2)3月下旬以降、一目の雲(前週末の上限は110.80)がドルの強い支持水準として機能している。

今週中の日足雲の上限は110.80近辺にあり、チャートポイントである4月10日の安値110.84と重なっている。

仮にドルが下落した場合、押し目の買いが110.90前後から入ると見られるため、
110.80~90程度で下げ止まる可能性が高い。

(3)終値で25日MA(前週末111.47)・200日MA(同111.51)を上回っている。

前週末の終値は111.60前後。

(4)前々週までの年初来高値112.17を更新し、112.40を付けている。

(5)9日間RSIが前週末で34%台まで低下。
・・・ドル売り先行で110.70~90を試した場合、ドルショートの踏み上げに注意。

Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
111.65前後(暫定支持線TSが抵抗線化)
112.00(心理的に抵抗水準として意識される可能性がある)
112.40(年初来高値、「昨年最高値114.55→年初来安値104.10」の76.4%戻し112.08近辺)
112.65前後(日足チャート上の抵抗線R)
113.71(12月13日の高値)
114.03(11月28日)
114.21(11月21日の高値)
*114.55(10月4日の高値)
*114.73(昨年11月6日の高値)
**115.00(昨年11月以降の展開で意識された強い心理的水準)

**サポート
111.02(5月1日の安値)
110.84(4月10日安値、今週の雲:110.74~90、フィボナッチ61.8%:109.70→112.40レッグ)
110.34(フィボナッチ76.4%、上記レッグ)
110.00(心理的節目)
109.70(3月25日安値)
109.06(38.2%、104.10~112.13)
108.49(1月31日安値)
108.34(今週の一目雲の下限)
107.99(1月14日の安値)
107.50前後(長期支持線S、週足チャート)
*105.00(サイコロジカル)
*104.10(1月3日の安値)

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア

●今週のポイント
*本邦休場のゴールデンウイーク期間が実質的な相場として見做されるかどうか?

見做されるのであれば、ドルのセンチメントは相当に悪化している。

逆であれば、再度年初来高値テストもありえる。

ただ、高値圏には長期抵抗線が112.65近辺まで下降しているため、112円台でのドルの上値は重たい。

●今週の注目材料
*ゴールデンウィーク最後の一日

残りは月曜の一日だが、前週からドルのムードが悪いため、年初に生じたフラッシュクラッシュ的な値動きに要注意!

*IMMの投機的円売りポジションが増加

4月30日時点の同ポジションが99,599枚(23日時点は94,444枚)へと増加。

ポジョションの縮小を本格的に始めているのであれば、前週の安値111.02以下のドル安だったと推測する。

IMMのポジションの本格的ポジション調整が入れば、ドル一段安となる可能性がある。

*米財務省「為替政策報告書」

例年であれば、この時点で発表されているはずだが、依然として発表されていない。

日米通商協議との関係で意図的に遅らせている可能性もある。

昨年の報告書では、過去20年の平均値と比べ、25%近くも円安である点が指摘されている。

*日米通商協議
・ムニューシン財務長官は協議に「為替条項」を取り入れると主張している。

聞き飽きた発言だが、タイミング次第ではドル円の大きな下振れリスク。

*FRB関連

・パウエル議長のやや「物価に強気」な発言と他のFRB要人発言(クラリダ副議長、エバンス・シカゴ連銀総裁)とが食い違う。

米物価指標に同調的なFRB要人の発言が重なると、どちらにも振れやすいが、「基本路線は年内の利上げはなし」とみる。

*欧州関連

・ブレグジット問題:EUでは10月末まで期限延長を決めているが、依然として先行きが不透明であり、もはや市場が食傷気味となっている。

英国内地方選で、与党保守党が大敗。

国民再投票があるとすれば、EU残留が濃厚に。

ブレグジット関連では3週間後の欧州議会選に注目。

・ユーロ圏の景気減速感が強まっている。

ユーロが節目の1.12(対ドル)を割り込んでいる点には要注意。

引き続き、ユーロ圏経済指標には常に要注目。

ドイツ経済が減速しているため、ドイツの経済指標に要注目!

***ストラテジー・アイディア

*中期ドル円相場の基本認識
(1)FRBは、コアPCEデフレーターが2%近傍で推移している限りは、「忍耐強く、状況を見つめる」という認識である
・・・年内の米利上げがほぼなくなった。

(2)日銀は長期金融緩和の副作用と物価安定とのディレンマに陥っている

つまり、過去5年間で見られた様な、「日米金融政策の逆行性(日米金利格差の拡大)→ドル高円安」という構図が復活するのは難しいか。

●ドル円
*基本線はドル売りを推奨
*試しでは下記推奨水準でのドル買い・・・ただし、ストップは浅めに!

https://www.pro-fx.info/ef/190505-21.gif

*ドル売り推奨の理由

・長期トライアングルが先端に近づいている一方、上昇5波が終了した可能性が高い。
(参考図上段)

2014年高値からの抵抗線(参考図上段LR)、2017年高値からの抵抗線(参考図下段R3)、いずれも機能している

・2週連続でローソク週足が終値ベースで一目の雲の中に沈んでいる。

・112.65近辺に強い長期抵抗線Rが下降する中、中期支持線TS(今週のドル円相場チャート)が抵抗線化している。

・Daily Pivotの第二抵抗値が日々の抵抗水準として完全に機能する中、足下の相場では一日の高値が第一抵抗値近辺で止まっている。

積極的ドル売り水準:111.45~111.65
コンサーバティヴドル売り水準:111.85~112.20

*ドル試し買い水準
理由:110円台後半にテクニカル・ポイントが集中している・・・「今週のドル円相場テクニカル分析」を参照
推奨水準:110.70~90

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上

為替相場研究会主宰

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