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FXコラム

2019.06.24

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/190623-2.gif

前週の当欄は、

「年初からの時間経過やパターン形状から判断して、今週は相場が変化する可能性がある。
中期下降トレンドに変化のサインが見られない中、直近最安値107.81を付けた後の調整も日柄的には満了に近いため、
ドルが一段安となる可能性が高い」

とまとめた。

実際の相場においても、変化が生じ、107.05まで下落。

前週末NY終値も107.30前後と、依然としてドルが戻りの弱さを露呈した格好で、一段と下方リスクが強まっている。

この先の大きな焦点は105円を割り込むかどうかである。

長期予測では、過去から「105円を試す可能性が高い」としてきたが、その水準が視野に入ってきた。

既に1月3日に104.10を示現しているが、当時の相場がフラッシュクラッシュ(瞬間的急落)であったことを考慮すると、
目先では105円が心理的節目として意識されよう。

ここで、長期的な観点と中・短期の観点から、注目しておきたい点を指摘しておきたい。
 
●長期的観点

(1)2017年1月からの抵抗線が113円近辺まで下降している。

こうした中、昨年最高値114.55(10月4日)を起点とする抵抗線R(日足チャート)が112円前半まで下降。

(2)前週末時点で週足一目の雲の下限が109.60前後にある。

(3)100日MA(前週末110.44)が200日MA(同111.16)とデッドクロス状態。

(4)週足チャートの支持線Sを下抜いた後、同線が抵抗線化している。

 
●中・短期的観点

(1)年初来高値112.40を起点とする抵抗線TR1が機能する中、これと平行に走るTR2とで下降チャンネルTR1-TR2が形成されている。

(2)TR1は前週末時点で、108.70前後に位置し、ドルの戻りを抑えている。

(3)TR1-TR2の中でベアリッシュフラッグが形成され、それが機能し続けている(ドルが下落し続けている)。

(4)1月3日のフラッシュクラッシュ(104.10)以降の最初のトップ112.13(3月5日)と
年初来高値112.40(4月24日)とでダブルトップ(DT)を形成している。

第一トップと第二トップの中心点は109.69(3月25日)だが、
「1月3日→3月25日=58日」「3月25日→6月14日(14日時点)=60日」という時間経過から、
前週の予測では「今週(前週のこと)は相場が変化する」可能性が高いとした。

実際に前週の相場は変化が生じたが、DTの形状は3月25日を中心にほぼ完ぺきなシンメトリカルが描いた後、
相場が下落しているため、調整・下落という展開が続くと可能性が高い。

以上の点から、依然としてドルに下方圧力がかかり続けると見られる。

 
もっとも、以下の点から短期的にドルが反発する可能性がある点には注意しておきたい。

(A)9日間RSIが20.6、14日間RSIが25.83と、低下しているため、ショートカットの踏み上げが起こりやすい。

(B)前述下降チャンネルTR1-TR2の下値メドTR2(前週末106.50前後)に近づいている

 

以上を踏まえて、今週は以下の様にまとめた。

*******今週のまとめ********

下降チャンネルTR1-TR2の中で、下落・調整・下落という形で、
ベアリッシュ・パターン(フラッグ調整を挟んでの下落)が機能しているため、
相場が大きく加熱している感はない。

従って、この先も同パターンが続く可能性が高く、ドルの下値を試す展開が続くと見る。

ただ、既に短期RSIが危険水準に到達しているため、
ドルが急落する様な展開となった場合は調整(反発)が生じやすい。

もっとも、その場合でも、ドルの反発は調整(フラッグ又はペナント形成)の可能性が高く、
108.80を超えない限りは、短期トレンドに著変はないと見る。

予測レンジ:105.50~108.80
********************
 

**ドルのネガティヴ要因(上記弱気要因と一部重複)

(1)100日MA(前週末110.44)と200日MA(同111.16)がデッドクロスしているため、中長期的にドルに先安感がある。

(2)25日MA(同108.79)が100日MAとデッドクロスしている。

(3)抵抗線R(日足チャート)が112円台前半まで降りてきたため、中・長期的にドルの下方リスクが強まっている。

(4)三役逆転(日足<雲、遅行線<26日前の日足、転換線<基準線)の状態が続いている。

(5)年初来高値112.40(4月24日)を起点とする抵抗線TR1(前週末108.70前後)が機能している状態で、ドルの中期的先安感が払拭されていない。

(6)TR1が機能する中、同線とその平行線TR2とで、下降チャンネルTR1-TR2(前週末106.50前後)が形成されている。

TR2は今週、106円前後まで下方に伸びているため、まだ下値余地を残している。

ちなみに、25日MAとTR1がほぼ同じ水準で下降しているが、これらがドルの上値を抑えている。

(7)ドルの強い支持水準であった109.00~109.15が短期の抵抗水準化しつつある。

(8)下降のコンティニュエーション・パターンであるベアリッシュ・フラッグが出現している。

(9)長期支持線S(週足チャート)が抵抗線化しつつある。
 

**ドルのポジティヴ要因

(1)以下のフィボナッチ水準がある。
107.27(61.8%戻し、104.10→112.40)、106.05(76.4%戻し、同値幅)
・・・107.27はザラ場で下抜けているが、終値では抜けていない。

1月3日(104.10)~4月24日(112.40)という比較的長い期間を考慮すれば、107円近辺≒107.27として捉えられる。

(2)前週末の9日間RSIが20.60%、より長い14日間のRSIが25.83%と、ドル売りに過熱感が生じつつある。

(3)心理的節目の105円に近づいているため、目先の下値メド106.50~106.00を下抜く様な局面では、
ドルの急反発が生じやすい。

この点、上の(2)とも関係する。
 
 
Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
108.73(6月17日の高値)
109.10近辺(前週末のTR1、25日MA近辺)
109.92(5月30日の高値)~110.00(心理的節目)
110.50(同100日MA)
110.67(5月21日の高値)
110.96(5月6日の高値)
111.00(5月3日の安値・・・・・110.96~111.00がギャップ)
111.32(同200日MA)
112.00(心理的に意識される抵抗水準)

**サポート
107.05(6月21日安値)
106.05(76.4%戻し、上記と同値幅)
*105.00(サイコロジカル)
*104.10(1月3日の安値)

 
 
Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア

●今週の注目材料

*FRB関連
・前週のFOMCのドットチャートでは、参加者(17人)のうち、8人が年内利下げを予測。

そのうち、7人が0.5%の利下げを予測した。

こうした状況下、FRB要人からハト派色の強い発言がより出やすくなる。

彼等の講演等には要注意。

25日予定:ウィリアムズNY連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、パウエル議長、ブラート・セントルイス連銀総裁

・前週に米10年債利回りが一時2%を下回り、米金利の低下=ドル売り、同上昇=ドル買いに繋がっている。

但し、「米金利上昇によるドル上昇」は売りの買戻し、といった印象。

日米金利差が縮小し、円高に振れやすい。・・・ストラテジー・アイディアのドル円基本認識を参照。

・米6月製造業PMIが50.5と、拡大・縮小の分岐点50寸前まで低下しているため、米景気減速が改めて認識された。

*欧州関連
・ユーロドルは再び中期抵抗線を抜いている。

ドルの地合いが悪いため、ユーロドルがやや強含むか。

・ユーロ圏の景気減速感が強まっている。

引き続き、ユーロ圏経済指標には注意。
主要国ドイツ経済が減速しているため、ドイツの経済指標に要注目!

・ユーロ圏財政問題
欧州委員会がイタリアに対して安定成長協定(財政規律)を巡って、過剰財政赤字是正の手続きに着手。

この先、重債務国に対して同様の手続きが進む可能性がある。

*本邦関連
・財務省の口先介入は一時的なショートカバーを誘うのみで、前向きなドル買いにはつながらない。

・G20では米中首脳会談が予定されているが、具体的な何かは期待し難い。
 

***ストラテジー・アイディア

*中期ドル円相場の基本認識
(1)米コアPCEデフレーターが2%近傍で推移している限りは、
「忍耐強く、状況を見つめる」というFRB内部のコンセンサスが崩れ、年内の利下げがコンセンサスとなった。

焦点は時期と下げ幅に移行。

この先のインフレ指標次第では、市場が年内3回の利下げを催促する展開になるか。

(2)日銀に残された緩和余地は極めて限定的である。

FRBにはFFレート9回の利下げ余地(2.25%=9×025%)がある一方、日銀に残された手段はほぼゼロ。

とすれば、この先FRBの利下げで日米金利差が縮小に向かったとしても、基調的にドル高円安向かうのは無理筋と考える。

7月の決定会合において、フォワードガイダンスの
「超低金利策継続の期間を来年末まで延期する」などと変更した場合でも、円安効果は限定的だ。

 
●ドル円の「戻り売り」を推奨
ドル軟調地合いが継続すると見られ、引き続きドルの戻り売りを推奨。

https://www.pro-fx.info/ef/190623-3.gif

主なテクニカル分析上の根拠

・下降チャンネルTR1-TR2が機能し、その中で「ベアリッシュ・フラッグ(調整)」→「急落」を繰り返している。

前週後半に比較的大幅に下落しているため、今週はどこかで調整色を強める可能性が高い

・9日間RSIが20%台まで低下しているため、比較的大きなショートカバーがありえる。

・上の2点があるものの、基本的にはTR1と25日MAが上値を抑えているため、ドルの戻りは限定されると見る。

 
*積極的ドル売り推奨水準
107.60~80
*コンサーバティヴドル売り推奨水準
108.30~50
 

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上
 
https://www.pro-fx.info/ef/190623-2.gifhttps://www.fpnet-ec.com/assets/common/img/member/bbs/11/9f0c0fe38ff44d3773457d980d371703-3.gif

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