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FXコラム

2019.11.18

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析
https://www.pro-fx.info/ef/191117-2.gif

前週は以下の様に分析をまとめた。
 

*****前週の分析のまとめ*****
 
108円台での上値遊びのガス抜きを終えた後、重要水準の109.32を上抜き、
109.49を付けたことは確かにドルの強さを示すものである。

ただ、気懸りなのは中期相場で見ると、実勢相場が高値を更新する一方で、
短期RSIが下降している点。

この現象を「ダイバージェンス」として捉えるべきかどうか難しいところだが、
ドルの上昇に過熱感がない、つまり、上昇するに連れて勢いが減退しているかに見える。

足下では、104.64以降の高値を更新していることや、小幅調整を効かせながら上昇していることを考慮すると、
「逆行」の出現として決めつけることにリスクはあるが、注意しておきたい点である。

以上の点を考慮して、今週は「ドルが強含みに推移する可能性が高いも、
節目の110円前後での反落もありえる」と見る。

予測レンジ:107.50~110.50
 
********************
 

前週は週前半こそ、ドルに堅調さが窺えたが、週半ばからは地合いが一変し108.24まで下落した。

週末には108.85まで値を戻しているだけに、ドルの地合いが大きく悪化した状況ではない。

もっとも、今週中に直近最高値109.49(11月7日)を出来ない場合、
本格的に地合いが変化する可能性が出てくる。

その際、フィボナッチ水準109.36(112.40→104.46)と前週の高値109.49は長期スパンで見れば、
ほぼ同水準という考え方が有力となり、104.46からのドル上昇は112.40からのドルの下降トレンドの
調整に過ぎなかったという見方が台頭する可能性がある。

上ではドルの地合いが大きく悪化した状況ではないと述べたが、懸念材料が生まれている。

終値が14日に104.46からの支持線S(前週末108.60前後)を下回り、
ドルの重要な拠り所が一つ失われているのだ。

仮に、今週も終値がS線の下に潜り込む様であれば、ドルの地合いが悪化すると見られる。

今週の焦点は上値圏では(a)直近最高値109.49を更新できるかどうか、
下値圏では(b)前週の安値108.24を下抜くかどうかにある。
 

以下では、ドルの強弱要因を指摘し、今週の分析をまとめた。
 

○ドルの強気要因

(1)極めて重要水準の109.32(8月1日)とフィボナッチ水準の109.36(61.8%戻し、112.40→104.46)を抜き、
104.46(8月26日安値)を付けて以降の高値を更新している。

(2)三役好転の状態が維持されている。

(3)25日MA(前週末108.74)が100日MA(同107.70)とゴールデンクロスしているため、中期的にドルの先高感がある。

(4)今週中に一目の雲が107.80近辺まで切り上がってくる。
 

●ドルの弱気要因
 
(イ)心理的節目の110円の存在。

(ロ)直近高値は109.49だが、長期スパンで見れば、フィボナッチ水準の
109.36(61.8%戻し、112.40→104.46)と同レベルである。

(ハ)昨年最高値114.55(10月4日)を起点とする抵抗線MRが111円近辺まで下降している。

ドル安トレンドが始まったのが5月初旬の111円割れ時点であることに照らすと、
長期的に見ても111円が抵抗水準となった可能性が高い。

(ニ)長期支持線S(前週末109円台後半、週足チャートを参照)は一旦ブレイクされた後、抵抗線となっている。

(ホ)高値を更新しているものの、9日間RSIが下降傾向にある、いわゆる「逆行」状況にある。

前週もこの点を指摘し、108.24までの下落を見ている。長期スパンでみると、
完全に逆行状態が解消されたRSIの形状とはなっておらず、依然として要注意。

(ヘ)14日に終値で25日MA前週末108.74や支持線Sを下回っている。
 

以上の点を踏まえ、今週は以下の様にまとめた。
 

******今週のまとめ******
 
一日だけだが、終値が支持線Sや25日MAを下回っており、中期の拠り所に傷が生じたことは否めない。

もっとも、翌日の終値がS線や25日MAの上に出ているため。ダマシの可能性もある。

仮にダマシであれば、直近高値109.49を試す展開が見込まれる。

ただ、9月中旬以降の実勢相場の高値をプロットした線と9日間RSIをプロットした線が
「逆行」形状をしているため、実勢相場に力のない状態が続くか。

以上から、今週は109.49を試す局面もあると見るが、大きく伸びる可能性は低いと見る。

逆に109.49を試しに行けない様な状況では、前週安値108.24を下抜き、107円半ばまでの下落もありえよう。

予測レンジ:107.50~110.00
 
*******************
 

Ⅳ.チャートポイント

**レジスタンス
109.01(前週末の200日MA)
109.29(11月12日高値)
109.49(11月7日高値)
110.00(心理的節目)
110.52(76.4%戻し、112.40→104.46)
110.67(5月21日高値)
110.96(5月6日高値)
111.00(5月3日安値・・・・・110.96~111.08がギャップ)

**サポート
107.70~107.83(今週中の雲の上限)
107.89(11月1日安値)
107.29(同一目の雲の上限)
106.55(10月7日安値)
106.48(10月2日の安値)
105.74(9月3日安値)
104.46(8月26日安値)
*104.10(1月3日の安値・・・銀行によって異なる)

 

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア
 
●今週の注目材料

*米国
・FRB関連
パウエル議長は13日の議会証言で、長期の政策金利の据え置きが示唆した一方、
14日の下院予算委員会では「緩やかな成長の継続が我々(FRB)の見通しと期待である」とした。

この証言・発言から見ると、現時点では年内の追加利下げ確率は相当に低いと言えそうだ。

ただ、21日公表される「FOMC議事録(10月開催分)」には、注目しておきたい。

9月分からどの様に変化したのか、年内最後の会合を控えて重要である。

・講演
19日:メスター・クリーブランド連銀総裁、ウィリアムズ連銀総裁
21日:メスター・クリーブランド連銀総裁

・注目米経済統計
19日:10月住宅着工

*注目ユーロ圏経済統計
12日:独/ユーロ圏ZEW景気期待指数
14日:独7-9月GDP
 

●ストラテジー・アイディア

*中期ドル円相場の基本認識

・昨年最高値112.40を起点とする抵抗線が111円近辺まで切り下がってきた。

心理的節目の110円と共に、ドル上伸の抑止力となっている。

・日米金利差縮小とその傾向を重要視。

一連のドル安円高は米利下げとその期待が牽引してきたことは事実である。

10月FOMCでは当面の利下げを見送るとしたことから、
ドル買いに安心感が出始めているが、この先の米経済指標次第では
FRBの追加利下げ観測が高まる可能性がある。

他方、日銀(黒田総裁)はマイナス金利の深堀りという緩和手段を残しているとしているが、
仮にその場合でも市場への効果は限定的である。

日米金利差縮小という観測は、両者の実体経済が顕著に改善するという結果(数字)
を見るまで、残り続けると見る。

・本邦貿易黒字(財取引収支)の減少

全体では黒字の減少が進んでいる。

つまり、円余剰化(外貨不足化)が進んでいるため、円高になりづらいという認識を持つ必要がある。

もっとも、対米黒字は増加しているため、米大統領選を見据えて、米政権のドル高是要請もありえることだ。
 

*今週のストラテジー
https://www.pro-fx.info/ef/191117-3.gif

○基本戦略
ドルの戻り売り(下記ドル売り推奨水準を参照)

・理由
(1)米中協議関連に振らされる局面が続いている。

食傷気味の与件だが、協議の収束報道ではドル買いに結び付いているため、
一定の吹き値は考慮する必要がある。

下手な踏み上げを強いられないためにも、できればドルの戻りを売りたいところ。

(2)中期相場ではRSIと実勢相場とが逆の動きをしているため、逆転(乖離、ダイバージェンス)状態が続いている。

9月中旬以降のドル上昇局面における各ワンレッグの高値と高値の差が、要した日数に比して少なすぎる・・・参考図

(3)終値が支持線Sや25日MAを下回った。・・・日足チャート参照

・ドル売り推奨水準
中立的ドル売り水準:109.25~50
コンサーバティヴドル売り水準:110.00前後
 

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準はピボットなどのテクニカル水準に調整を加えたものです。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上

 

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為替相場研究会主宰

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