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FXコラム

2020.01.27

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析

https://www.pro-fx.info/ef/200126-2.gif
 

当欄では「110円台に乗ると、110円台前半まで下降している長期抵抗線MR(起点は2018年10月高値114.55)
によって上値が抑え込まれる」可能性を指摘してきたが、前週の展開(高値110.23)は正にそんな内容だった。

また週足で同様に抵抗線を引くと110.40近辺となり、110.30~40をクリアに抜くかどうかが当面の焦点となる。

仮に110.30~40を上抜いた場合、昨年5月6日のギャップ埋めに行くかどうかが注目される。
・・・ちなみに、筆者が記録しているデータでは110.96~111.08がギャップである。

ところで前週のまとめでは、「(前々週までの抵抗水準であった)109.73を下回らなければ、
前述のギャップ埋めに向かう可能性がある一方で、逆に下回る様であれば、108円台への反落もありえる」とした。

実勢相場では、週半ば(22日)まで109.73が強く支持水準として意識されドルを下支えたが、
同水準を下回ると、週末に109.18まで下落した。

108円台を覗くことはなかったものの、引き続き今週も109円割れがありそうな気配で前週末を終えている。

既に終値で25日MA(前週末109.39)を下回っていることから、バイアスはややドル下方にかかりそうだ。

以上の注目点当を踏まえて、以下ではドルの強弱要因を指摘しながら、今週の予測をまとめた。
 

●ドルの弱気要因
 
(1)昨年最高値114.55(10月4日)を起点とする抵抗線MRが110円前半(110.30近辺、週足チャートでは110.40近辺))
まで下降してきたため、110円台前半で上値が徐々に重くなっている。

・・・前週・前々週の高値は110.23・110.30と、抵抗線MRによって抑え込まれた格好。

(2)ギャップ埋めは相場を予測する上で定石の一つでもあるが、ギャップ(昨年5月)を埋め尽くした後に反落するという市場の潜在意識で、
110円台でのドルの上値は重くなちがちである。

(3)(2)とも関係するが、トランプラリーの最高値118.66(2016年12月)近辺を起点とする抵抗線が111円台半ばまで下降しているため、
前述ギャップ埋め後の反落というシナリオを描くことができる。

(4)抵抗水準だった109.73や心理的節目の110円が支持水準になれなかった。再び109.73~110円が抵抗線化する可能性がある。
 

○ドルの強気要因
 
(イ)重要なチャートポイントだった12月の高値109.73や心理的節目の110.00を一度抜いているため、
次の反発局面のハザードが消失した格好。この点、上の(4)との関係で注目しておきたい。

(ロ)25日MA(前週末109.39)と100日MA(同108.69)とがゴールデンクロスしているため、中期的に先高感が残る。

(ニ)完全に一目の雲(前週末の上限は109.02)上での展開になっている。

前週の安値が109.18で止まった要因は雲の存在が大きい。

(ホ)フィボナッチ関連では、「107.65→110.30」からのリトレースメントが重要となる。

前週の終値109.28は同値幅の38.2%リトレースメントに当たる一方、
一目の雲の上限(109.02)の下に同値幅50%リトレースメント108.97に位置する。

以上の点を踏まえ、今週は以下の様にまとめた。
 

*******今週のまとめ*******
 

前週は、前々週の高値(110.30)更新を試したが、2018年の最高値114.55を起点とする抵抗線MR
(前週末110.30近辺、週足では110.40近辺)によって阻止された格好となった。

ドルの踏ん張り所となった109.73については、週前半こそ強い支持水準になったものの、
結局はこれを下回ってしまてしまい、「元の抵抗水準の支持水準化:109.73→110.30更新」
という図式も崩れた格好だ。

この状況からは、取り敢えず110.30(あるいは抵抗線MR)を
再び試す展開となるまでには時間がかかる可能性が出てきたと言える。

他方、下値圏に目をやると、前週末の下値が一目の雲(前週末109.02)や
フィボナッチ水準の108.97(50%、107.65→110.30)によって支持されたため、
リーゾナブルな上昇局面の調整にも映る。

従って、109円台を中心とした揉み合い相場となる可能性もある。

ただ、長期重要抵抗線のMRを抜けなかった点や、109.73を割り込んでしまった点を考慮すると、
ややドルに下方バイアスがかかりやすい展開と見る。

その際、下値が109.02(雲上限)~108.97(フィボ)を下回る様であれば、
108円台前半までの下落もありえるか。・・・ストラテジー・アイディア参考図

また、週中に向けて雲の下限が108.80方向に切り上がってくるため、
ここを下回るかどうかによっても相場は大きく変わる可能性がある。

直近の下攻めの際(107.65まで下落した際)、には雲の下限を下回ってはいるが、終値では下回っていない。

仮に終値が雲の下限を下回る様であれば、ドル売りが機能する時間帯に入るため、大幅下落には要注意である。

予測レンジ:108.00~110.30
 

********************
 

Ⅳ.チャートポイント
 
**レジスタンス
109.73(12月2日の高値、抵抗水準→支持水準→抵抗水準)
110.00(心理的節目)
110.30~40近辺(1月17日の高値~長期抵抗線)
110.52(76.4%戻し、112.40→104.46)
110.67(19年5月21日高値)
110.96(19年5月6日高値)
111.08(19年5月3日安値・・・・・110.96~111.08がギャップ)
111.60近辺(2016年12月高値118.66近辺からの抵抗線)

**サポート
109.02(前週末雲の上限)
108.97(50%戻し、107.65→110.30)
108.66(61.8%戻し、同値幅)
108.32~(前週末雲の下限)
107.65(1月8日安値)
106.55(19年10月7日安値)
106.48(19年10月2日の安値)
104.46(19年8月26日安値)
*104.10(2019年1月3日の安値・・・銀行によって異なる)
 

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア
 

●今週の注目材料
 
*米国
・トランプ大統領の弾劾問題は、その他の与件との兼ね合いでドルの弱気材料となる。

中東情勢の緊張は和らいだものの、警戒感が残るため、リスクオフの株安・円高(ドル安)という展開には要注意。

・FOMC
28日~29日:今年最初のFOMC
年初からの連銀総裁講演では、
(1)現在の金利水準を適当としていることや、
(2)今回の叩き台の一つであるベージュブックでは一部地域で景況感が好転しているとの指摘があったことから、
決定は現状維持と見る。

・注目米経済統計など
28日:12月耐久財受注、1月消費者信頼感指数
30日:9-12月GDP(速報)
31日:12月PCEデフレーター

・FRB要人講演
29日:パウエルFRB議長会見
月額600億ドルのTB購入が6月で終了するかどうかに関するニュアンス(実質的緩和かテクニカルな問題か)に注意

*ユーロ圏
31日:英EU離脱期限

*他
「新型コロナウィルスの感染懸念拡大→内外株価への影響」が円買いに結び付いている。
中国経済へのダメージ→世界経済への影響にも注意。
 

●ストラテジー・アイディア
 
*中長期ドル円相場の基本認識

・110円台前半(110.30近辺)まで切り下がってきた2018年高値114.55からの抵抗線MRをクリアに抜くかどうかが注目される。

ただ、同水準を抜いたとしても、2016年高値118.66近辺からの抵抗線が111円台半ばまで切り下がってきたことを考慮すると、
昨年5月の「窓空き」水準(111円前後)までが戻り高値としては精一杯と見る。

・12月のFOMCで、政策予想ドットチャートでは中央値が今年と同水準となり、2020年の金融政策が変更される可能性が低下した。

だが、高値更新を続ける米株が行き詰まる可能性もあり、その局面では逆資産効果への懸念から、再びFRBがハト派化する可能性がある。

・本邦貿易赤字が基調的に19年も通関ベースで貿易赤字が確定し、赤字は2年連続。

依然として経常収支は黒字だが、利子・配当などがすべて本社に移転されるとは限らないため、
モノの収支である貿易収支の赤字化は大幅な円高になりづらい需給要因となる。

・対外証券投資が相対的に減少する中、FDI(対外直接投資)が増加しているため、外貨(ドルなど)を支えている。

*今週のストラテジー
 
https://www.pro-fx.info/ef/200126-3.gif
 

○基本戦略
適宜ドル売り

・理由・・・参考図の下に詳細を記載

前週は高値圏での十字線は売ってみる価値はありとし、積極的ドル売り水準として110円台前半を推奨した。

強い抵抗水準である2018年高値からの抵抗線MRが存在したこともあって、実際にこれが奏功した格好となった。

本文で指摘した様に前週のドルの下値は109.18と、一目の雲(前週末上限は109.02)や
フィボナッチ水準の108.97(詳細はテクニカルポイント等に記載)によって支持されたため、
109円台で揉み合いになる可能性がある。

ただ、109.73~110.00前後で上値が重たい様であれば、ドルを売りたいところ。
積極的には109円台半ば~109.73でのドル売りもありと見る。

「新型コロナウィルス→株安→円買い」というコンセンサスが生まれている。
時間がかかる気配もあり、状況次第では、日計りではドル売りは状況次第で早めの戦略もあるか。

・ドル売り推奨水準
上記通り

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。
 
 
以上

 

為替相場研究会主宰

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