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FXコラム

2020.04.20

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析
 
https://www.pro-fx.info/ef/200419-2.gif
 
前回のまとめでは、
「4月6日週に109.38まで上昇したが、その後は日々上値が切り下がる展開となり、
結局は前の週のローソク足が上髭の長い陰のコマ線となった。
そのため、109円台では居心地の悪さが確認された格好で、ドルがやや弱含みに推移する」
と予測した。

他方、(3月30日週に)107円を試したが失敗に終わっているため、一度は107円台前半でドルが底堅さを示す可能性が高い」

とも指摘した。

「リスクウェイトはドルの下方サイドにあるとし、予測レンジの下限を106.50に置いた」
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

実際の相場も概ね、予測通りの「ドル弱含み保ち合い」という結果に終わった。

目立った特徴はなかったが、*安値が106.93と直近最安値(4月1日)と同じ水準に止まった点が若干目を引く。

また、*3月最高値111.71(3月24日)を付けて以降の展開で、
コンティニュエーション・パターンのベアリッシュ・フラッグが連続で出現しかけている点も
気懸りな(ドルの下降という意味で)特徴と言える。

この点は、前週のストラテジー・アイディアで取り上げているが、
この先も出現する可能性があるため、今週もストラテジー・アイディアで掘り下げる。

今週の予測の組み立ても、前週大きく変わらないが、注目点は前週の安値106.93をブレイク、
言い換えれば107.00をクリアに(終値で)ブレイクするかにある。

保ち合い相場に見えるこのところの相場だが、
もう一段のドル下落も見込まれるだけに、1106.93は重要なポイントと言える。

以下では、ドルの強弱要因を指摘した上で、今週の予測をまとめた。
 

●ドルの弱気要因
 
(1)2月下旬の相場でも112円台でドルの上値は重たいことが認識されたが、3月23日週の展開でこの点が再確認された格好となった。

(2)(1)との関連で年初来高値112.23(2月20日)を試したが、結果は111.71止まりとなり、ダブルトップの形状が整い出している。

仮に年初来安値101.18を下回る様であれば、ダブルトップ目標値推計では長期で1ドル≒90円という水準が見込まれる。

(3)25日MA(前週末108.60)と100日MA(同108.90)とが引き続きデッドクロスしているため、中期の先安感が継続している。

(4)3月の最高値111.71(3月24日)以降の展開で、コンティニュエーションのベアリッシュ・フラッグが出現している。
・・・ストラテジーアイディア参考図

(5)トランプラリーの最高値118.66近辺からの抵抗線(上辺)と104円台の下辺で形成されたトライアングルは、
既に下辺がブレイクされており、形の上ではディセンディング・トライアングルが出現している。
・・・3月7日のストラテジーアイディア参考図を参照

(6)週単位では、2週連続で高値・安値・終値が切り下がっている。
 

○ドルの強気要因
 
(イ) 前週もドルの下値を試したが、安値は106.93と、4月1日の安値と同水準に止まった。

107.00をブレイクしたものの、終値ベースでは抜けていない。

(ロ)101.18(3月9日)からの戻り高値は108.50だが、
そこからの下押しは105.15(3月16日)で止まっているため、105円が意識されやすい。

年初来安値101.18を異常値とするのであれば、再びそれ以前の安値圏104円台がドルを下支える可能性がある。

(ロ) 終値が一目の雲(前週末の上限は106.69)の上に出ている。

以上の点を踏まえ、今週は以下の様にまとめた。
 

*******今週のまとめ*******
 

ドルの戻りが108円近辺で限定され出した。
 
一見、107円台での保ち合い相場の様相を呈しているが、
週単位でみれば高値・安値・終値が切り下がっているため、ドルに下方リスクが残っている。

3月最高値111.71を付けて以降、ドルは下落基調にあり、
この過程でベアリッシュ・フラッグが連続で出現しつつあるため、
前週の様な比較的厳しいドルの下落もありえるか。

107円台前半は値覚えのある水準で有象無象の買いが入りそうだが、
ここでドルが支持されない様であれば、105円台へ下落する可能がある。

逆に、ドルが今週も107円台前半で底堅さを見せる様であれば、
108円台後半へと振れる展開もありえよう。

予測レンジ:105.50~109.00
 

********************
 
 
Ⅳ.チャートポイント
 
**レジスタンス
108.08(4月16日高値)
108.60(前週の25日MA)
*108.90(前週の100日MA)
*109.38(4月6日高値)
109.78(3月27日高値)
110.00(心理的節目)
*111.71(3月24日高値)
**112.23(2月20日の高値)
**112.40(昨年最高値)
114円台(2017年以降の高値圏)

**サポート
*106.93(4月1日と4月15日の安値))
*106.69[前週末時点の雲の上限、76.4%戻し105.15(3月16日安値)→111.71(3月24日高値)
105.15(3月16日安値)
*105.00(サイコロジカル)
104.40(3月9日週の週ローソク足の始値)
**101.18(3月9日安値)
**100.00(心理的節目)
*99.00(16年6月安値)
 

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア
 
●中長期ドル円相場の基本認識
・日米金融政策

FRBはFFレート目標値を0.0~0.25%まで引き下げており、日米金利差は大きく縮小した。

国際金融市場が安定を取り戻すという前提に立てば、再び「日米金利差縮小→ドル安」が相場の組み立ての軸になるか。

FRBメンバーは総じてマイナス金利政策に否定的な立場をとるが、
有事下にあってはその可能性を排除すべきではない。

市場の一部には日米金利差逆転の可能性を指摘する声もある。
日銀がイールドカーブをコントロールし、円金利がほぼゼロに固定されているため、
FRBが一歩踏み込めば、その可能性がある。

・相場の底流を流れるリスクオフの円買い
「リスク回避通貨円」という見方が後退しているものの、
基本的に日本が世界最大の対外債権国であることを考慮すれば、
やはり「リスクオフの円買い」は相場の底流に流れている。

・本邦貿易収支
本邦の貿易収支の黒字が減少基調にある。
モノの収支である貿易収支の黒字の減少基調はドル安円高になりづらい需給要因となる。
他方、経常収支黒字については、円高となる需給要因だが、利子・配当のすべてが円転されるわけではない。
 

●今週の注目材料
 
*米国
・米経済統計など
21日:3月中古住宅販売件数
23日:3月新築住宅販売件数
24日:3月耐久財受注
4月ミシガン大消費者マインド(確報)

*ユーロ圏
21日:独4月ZEW景気期待指数
23日:ユーロ圏4月製造業PMI
 

●今週のストラテジー
 
https://www.pro-fx.info/ef/200419-3.gif
 
○基本戦略
ドルの戻り売りを続行

・理由
今週中に発表される米経済統計のうち、2月に13年ぶりの高水準を記録した中古住宅販売件数や新築住宅販売件数など
「住宅関連指標」が注目される。

4週間で新規失業保険申請件数が2,200万人超を記録したが、消費者マインドは想像を超える程悪化している。

安定した雇用と低金利に支えられた住宅市況の拡大に歯止めが掛かっても不自然ではない。

21日の3月中古住宅販売件数や23日の3月新築住宅販売件数がどの程度前月比で落ち込むかに注目しておきたい。

平時はそれ程注目されない指標ながらも、感染拡大が強く意識され出した3月の数値だけに、今週は注目しておきたいハードデータである。

(1)前々週に109円台での上値の重さが確認された後、前週には108台での上値の重さが確認されている。

(2)前週もベアフラッグの出現し、ドルが1.5円の大幅下落となった。

111.71(3月24日)の下降局面で第2のベアフラッグが出現しかけていることを考慮すると、
今週も前週の様な大幅なドルの下落がありえる。

前週に示した参考図の下に今週の参考図を挿入した。

「短期の戻り売り→中期のグッドポジション」というストラテジーが奏功しつつあるが、
今週も同様のストラテジーで臨む。

・推奨水準
積極的短期戦略:108円台前半~(ストップを浅目に入れて)成り行きでの試し売り。
中長期でのグッドポジション狙い:108円台後半(特に108.60~90)~109円台前半、111円台前半

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、
特に推奨水準はありません。
 
推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。
 

投資の最終判断は自己責任で行ってください。
 

以上

為替相場研究会主宰

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