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FXコラム

2020.05.25

今週のドル円相場テクニカル分析

著者:為替相場研究会主宰


Ⅲ.今週のドル円相場テクニカル分析
 
https://www.pro-fx.info/ef/200524-2.gif
 
前回は、
「111.71(3月24日高値)を付けて以降のドルのダウントレンドに著変はないと見るが、
9日間RSIは前週末時点で49.85とポジションの偏りがないため、
ドル弱含み保ち合い程度の相場と見る」
とまとめた。

その上で、「強い抵抗水準の108.05~08がブレイクされるまでは、バイアスをドル安に置いている」とした。

予測レンジ:105.50~108.50

実際の相場は、週前半に週高値となる108.08を付けたが、
その後は上値を徐々に切り下げる展開となり、週末には107.32まで下落した後、
107.60前後で越週した。

前週は全くの保ち合いだったが、そうした中にも相場付きに以下の様な幾つかの変化が見られた。

こうした変化はダウントレンドがアップトレンド切り替わったというほどのものでもないが、
一応留意しておきたい点である。

まずは、(A)107円台前半でドルが底堅さを見せ始めたことが挙げられる。

次に、(B)2週連続で下値・上値を切り上げていることが指摘される。

そして、(C)重要なテクニカル水準の108.08に一時触れた点も留意すべてき点と言える。

さらに加えれば、(D)前週の火曜日(19日)以降、107円台後半で引けたという点。

これらを考慮すれば、やはり少しドルが上昇する可能性を意識すべきと見る。

但し、相場が転換したとは考えづらい。

というのも、ベアフラッグ・パターン(ペナント、ウェッジ)が消えていないため、
今週中に再び106円台へと押し戻される可能性があるからだ。
・・・ストラテジーアイディア図の下段参照

以上を踏まえて、ドルの強弱要因を指摘しながら、今週の予測をまとめた。
 

●ドルの弱気要因
 
(1)2月下旬の相場でも112円台でドルの上値は重たいことが認識されたが、
3月23日週の展開でこの点が再確認された格好となった。

(2)(1)との関連で年初来高値112.23(2月20日)を試したが、
結果は111.71(3月24日高値)止まりとなり、ダブルトップの形状が整った。

仮に年初来安値101.18を下回る様であれば、
ダブルトップ目標値推計では長期で1ドル≒90円という水準が見込まれる。

(3)25日MA(前週末107.17)と100日MA(同108.43)とが
引き続きデッドクロスしているため、中期的な先安感が継続している。

(4)3月の最高値111.71(3月24日)以降の展開で、
ベアリッシュ・フラッグ(ペナント、ウェッジ)が連続して出現している。

(5)前週にドルが強含んだ局面では肝の水準としてきた108.08で上値を抑え込まれた。
 

○ドルの強気要因
 
(イ)三役逆転状態が完全解消(転換線>基準線)され、三役好転の兆しが出てきた。

(ロ)101.18(3月9日)からの戻り高値は108.50だが、
そこからの下押しは105.15(3月16日)で止まっているため、
再び心理的節目として105円が意識されやすい。

年初来安値101.18を異常値とするのであれば、
再びそれ以前の安値圏104円台がドルを下支える可能性がある。

(ハ)2週連続で下値・上値を切り上げている。

19日以降、終値が107円台後半へと移行している。

(ニ)ベアリッシュ・フラッグ(ペナント、ウェッジ)の形状が少しずつ崩れつつあるため、
下降トレンドの力が弱まりつつある。

(ホ)年初来安値101.18(3月9日)を起点とする支持線TS1を引くことができる。

以上の点を踏まえ、今週は以下の様にまとめた。
 

*******今週のまとめ*******
 

前週は重要水準の108.05~08を試したが、高値は108.08に止まり、ブレイクできなかった。

この点においては、依然として上値が限定されていると見る。

ただ、上値が限定的である一方、107円台前半で底堅さが出始めた。

年初来安値101.18からの支持線TS1が機能し始めていることが主因である。

直近2週間の推移を見れば、TS1とTS2で上昇チャンネルが描けそうな気配もあることから、
ややドル高に振れる可能性が出てきた。

もっとも、108.08を超えない場合は、
直近2週間のベアリッシュ・フラッグ(ウェッジ)が効果を発揮する可能性があり、
ドルの急落もあり得る。

今週はドル強含み保ち合いの展開と見る。

仮に108.08が完全にブレイクされた場合は、
108円台~109円台前半での揉み合いに転じると予測する。

但し、支持線TS1を下抜けた場合(あるいは107.00が抜けた場合)は
直近2週間のドルに強気な気配が失われると見る。

予測レンジ:106.00~108.80
 

********************
 

Ⅳ.チャートポイント
 
**レジスタンス
*108.08(4月16・5月19日の高値)
108.31(前週末の200日MA)
*108.43(同100日MA)
*109.38(4月6日高値)
109.78(3月27日高値)
110.00(心理的節目)
*111.71(3月24日高値)
**112.23(2月20日の高値)
**112.40(昨年最高値)
114円台(2017年以降の高値圏)
 
**サポート
107.17(前週末25日MA)
*106.70前後(雲の下限~5月13日安値)
106.45[50%戻し、年初来安値101.18→111.71(3月24日)]
*105.99(5月6日の安値)
105.20(61.8%戻し、上の値幅)
105.15(3月16日安値)
*105.00(サイコロジカル)
104.40(3月9日週の週ローソク足の始値)
**101.18(3月9日安値)
**100.00(心理的節目)
*99.00(16年6月安値)
 

Ⅴ.今週のポイントとストラテジー・アイディア
 
●中長期ドル円相場の基本認識
・日米金融政策
日銀は5月22日、9年ぶりとなる臨時の金融政策決定会合を開催し、中小企業支援策を決定した。

一段と金融緩和を辞さない構えも示す。

それ以前に決定した国債購入の上限(以前は年間80兆円)撤廃など、
意気込みの強さを感じるが、FRBにつかず離れずのポーズという色彩を帯びている。
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
FRBはFFレート目標値を0.0~0.25%まで引き下げており、日米金利差は大きく縮小した。

11月に米大統領選を控える中、トランプ大統領からのマイナス金利導入圧力が掛かっているため、
FOMC開催(次回は6月9~10日)が近づくごとに市場の利下げ観測が強まると見る。

米経済統計次第では再び「日米金利差縮小→ドル安」が相場の組み立ての軸になるか。

市場の一部には日米金利差逆転の可能性を指摘する声もある。

日銀がイールドカーブをコントロールし、円金利がほぼゼロに固定されているため、
FRBが一歩踏み込めば、その可能性がある。

・米国債の格下げ懸念

異常な事態下にあるものの、過剰財政拡大には違いなく、事務的に格下げされる可能性もある。

・相場の底流を流れるリスクオフの円買い

「リスク回避通貨円」という見方が後退しているものの、
基本的に日本が世界最大の対外債権国であることを考慮すれば、
やはり「リスクオフの円買い」は相場の底を流れている。

米中対立の激化懸念も、市場は円買いと見ている。
 

●今週の注目材料
 
*米国
・米経済統計
26日:4月新規住宅販売件数
4月シカゴ連銀全米活動指数
27日:ベージュブック公表
1-3月GDP(2次速報)
29日:5月ミシガン大学消費者マインド

*ユーロ圏
29日:ユーロ圏5月CPI

注:ドイツ連邦憲法裁判所が、ECBの量的緩和策について、一部違憲とする判断を下している。

5000億ユーロのEU財政基金案が出るも、ユーロの反発力が限定されている。

コロナ感染者・死者総数はともかくも、ユーロ圏が19カ国からなる経済圏であることを考慮すると、
全体での立ち直りは遅いと見る。
 

●今週のストラテジー
 
https://www.pro-fx.info/ef/200524-3.gif
 
○基本戦略
A.108.05~08を上抜くまでドルの戻り売りを続行

B.短期では保ち合い色が強まっているため、ドルの地合いに変化が見える。

従って、107.20前後で試し買いという戦略もあるが、戻り売りが奏功していることを考慮すると敢えて薦めない。

*理由
(1)年初来高値112.23と3月24日の高値111.71とでダブルトップを形成している

(2)ベアフラッグ(ペナント、ウェッジ)が連続している。・・・参考図下段

(3)ドルの強気要因で指摘した様に、ドル強含みの様相を呈しているが、
今のところ米中対立がリスク回避の円買いに繋がっているため、ドル買いには積極的になれない。

従って、このところ短期の戻り売りが奏功しているため、今週もAを基本戦略とする。

但し、108.05~08がブレイクされた場合は、中期上昇チャンネルが出来る可能性がある。

そのため、長期ドル安トレンドは継続するとの見方は変えないが、一旦思考法をニュートラルに変更する。
 

・・・詳細は最下段に記載
 
*推奨水準
・ドル売り
107.90~108.08(SL浅目に)
108.80前後

・ドル買い
試し買いとして107.20前後(SL浅目に)
 

注)利食い・損切りは個人のトレーディング・スタイルやトレーディング・スパンが異なるため、特に推奨水準はありません。

推奨水準は単なる筆者の分析結果であり、その水準での取引を勧めるものではありません。

投資の最終判断は自己責任で行ってください。

以上
 

為替相場研究会主宰

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